内容説明
ラカンが自己自身の欲望を生み出したトラウマの経験へと固執することによって、破行しながらでも固有なドラマを織り上げていく個人の方に与したのは明らかだ。どこまでも自己自身の沈鬱なトラウマ的欲望に拘ることで、世界を統一的な場にしようとするあらゆる勢力に反逆すること、それこそがラカンの思い描く倫理の姿なのである。(「序論」より)。
目次
序論
第一章 精神分析とはどのような仕事なのか
第二章 基本的概念の整理―“父の名”、ファルス、欲望、欲動、アガルマ
第三章 ハムレットによる「対象α」としてのオフィーリアの再発見
第四章 “もの”と現実界
第五章 自己固有の欲望―ラカンによるソフォクレス『アンティゴネー』の注釈
第六章 転移の本質―「愛される者」から「愛する者」へ
第七章 「女性の享楽」と「父の諸名」―ラカンによるポール・クローデル『クーフォンテーヌ三部作』の注釈
著者等紹介
桑原旅人[クワハラタビト]
2023年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。千葉大学、法政大学、洗足学園音楽大学、帝京科学大学で非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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