カラスと亀と死刑囚―パラドックスからはじめる哲学

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カラスと亀と死刑囚―パラドックスからはじめる哲学

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  • サイズ A5判/ページ数 206p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784779510915
  • NDC分類 116
  • Cコード C0010

出版社内容情報

ヘンペルのカラス、アキレスと亀、絞首刑のパラドックス、モンティホール問題……面白いパラドックスから哲学的思考を学ぶ入門書

第1章 確証のパラドックス

     ――ヘンペルのカラス――



1 科学における「テストする」「確かめる」とは?

  ――論理実証主義とその意義について



2 「すべてのカラスは黒い」を確かめるとは?

  ――検証と反証、そして確証



3 ヘンペルのカラス

  ――茶色のスズメは、「カラスは黒い」の証拠となるか?



4 証拠の意義、状況依存性

  ――カラスがほとんどいない世界ではどうなる?



5 証拠の重み

  ――事前確率と事後確率など



6 何を対象とし、どの分野と関わっているか

  ――自然種とクワインのホーリズムなど





第2章 空間と運動のパラドックス

 ――アキレスと亀――



1 アキレスと亀のパラドックス

  ――数学モデルをつかった説明



2 有限な空間内部に、無限があることは可能か?

  ――空間の無限分割可能性



3 そもそも「運動」は可能か?

  ――飛ぶ矢のパラドックス





第3章 自己言及のパラドックス

     ――嘘つきのパラドックス――



1 嘘つきのパラドックス

  ――量化によるパラドックスの回避



2 言語と文の構造分析

  ――タルスキの階層言語論



3 真か偽か、の二択ではない?

  ――クリプキの不動点言語と、基底的でない文



4 意味の捉え方の多様性

  ――文、言明、命題の区別の重要性





第4章 確率のパラドックス

     ――モンティホール問題――



1 曖昧さのもと、どのように判断するか?

  ――確率と統計の重要性



2 確率のバイアス

  ――モンティホール問題のジレンマ



3 確率のパラドックス

  ――等しい確率の事象同士でも、等しく生じるとは限らない





第5章 推論のパラドックス

     ――絞首刑のパラドックス――



1 正当化された信念

  ――ゲティア問題



2 エメラルドは何色なのか?

  ――グルーのパラドックス



3 「知識」とはどのようなものか?

  ――整合主義



4 いつ刑が実行されるのか?

  ――予期せぬ絞首刑のパラドックス





第6章 戦略のパラドックス

     ――チェーンストア・パラドックス――



1 正当化された信念同士のすれ違い

  ――対人ゲーム



2 ゲーム理論

  ――囚人のジレンマ、トリガー戦略



3 なぜ現実はチェスのようにうまくいかないのか?

  ――チェーンストア・パラドックスと後ろ向き推論





第7章 同一性のパラドックス

     ――テセウスの船のパラドックス――



1 変化のなかの「同一性」

  ――テセウスの船



2 多者の問題

  ――1001匹の猫のパラドックス



3 分析形而上学による捉え方

  ――耐時と延続



4 分裂への対応

  ――ライティとレフティ



5 冷静でプラグマティックな対応

  ――パーフィットの帰結主義





第8章 時間のパラドックス

     ――タイムパラドックス――



1 時間は主観的なもの?

  ――アウグスティヌス、カント、ベルクソン



2 〈今〉とはどのようなものか?

  ――マクタガートの時間論



3 「出来事」と時間の構成

  ――エントロピーと「時間の矢」



4 過去改変はいかにして可能か?

  ――タイムパラドックス





第9章 因果のパラドックス

     ――逆向き因果のパラドックス――



1 因果の不明さ

  ――ヒュームの因果批判



2 「もしも」のハナシにどんな意味があるのか?

  ――反事実条件分析



3 「結果」は先行する「原因」を引き起こせるのか?

  ――ダメットの逆向き因果





最終章 パラドックスからはじめる哲学



1 パラドックスを覗き込む



2 パラドックスの関連性



3 伝えることのパラドックス



中村 隆文[ナカムラ タカフミ]
1974年 長崎県に生まれる。1997年 千葉大学文学部卒業。2007年 千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。現 在 釧路公立大学経済学部准教授。哲学専攻。文学博士。著 作 『不合理性の哲学――利己的なわれわれはなぜ協調できるのか』(みすず書房,2015年),『「法」における「主体」の問題』〈叢書アレテイア15〉〔共著〕(御茶ノ水書房,2013年),『近代法とその限界』〈叢書アレテイア11〉〔共著〕(御茶ノ水書房,2010年),他。

内容説明

ヘンペルのカラス、アキレスと亀、絞首刑のパラドックス、モンティホール問題…多彩なパラドックスを通して「哲学的思考」が自然に身につく哲学入門!

目次

第1章 確証のパラドックス―ヘンペルのカラス
第2章 空間と運動のパラドックス―アキレスと亀
第3章 自己言及のパラドックス―嘘つきのパラドックス
第4章 確率のパラドックス―モンティホール問題
第5章 推論のパラドックス―絞首刑のパラドックス
第6章 戦略のパラドックス―チェーンストア・パラドックス
第7章 同一性のパラドックス―テセウスの船のパラドックス
第8章 時間のパラドックス―タイムパラドックス
第9章 因果のパラドックス―逆向き因果のパラドックス
最終章 パラドックスからはじめる哲学

著者等紹介

中村隆文[ナカムラタカフミ]
1974年長崎県に生まれる。1997年千葉大学文学部卒業。2007年千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。現在、釧路公立大学経済学部准教授。哲学専攻。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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夜間飛行

190
カラスは黒いという命題には「黒いカラス」だけでなく「黒くない色んな物」が関わる。こうしたパラドックスは知の体系を省察するのに役立つようだ。アキレスと亀…もし人が時空を無限に分けて認識できたらアキレスは亀に追いつけない。だから人の認識は「粗さ」に基づくと。面白いなあ。三つのドアの選択の問題…確率が客観性を持つとしても、事柄そのものに内在するのではなく、情報や認識に左右されることがわかる。ならば我々が知る「法則」とは、この世界を成り立たせている法則の影なのだろうか? 同一性、時間、因果…たんまり宿題を貰った。2021/07/15

テツ

13
何かに役立つだのテツガク的な思考だのなんて関係なく、問題として取り扱われていることの本質など考えることもなく、パラドックス的なお話を眺めるのがガキの頃から好きだった。簡単に答えが出せず、そこに絶対的な正しさや間違いが存在しない問題が世界に溢れているんだという予感に痺れた(実際、思考上の遊びに限らずありとあらゆる問題に絶対の正解なんてほとんど存在しないのだけれど) そうしたパラドックスを紹介しながら、それについての思考の組み立て方を説明していく。世界は単純にはできていない。単純に考えようとするのは逃げだ。2023/04/30

本当つき

2
こういったパラドックス本はたくさん読んでみているが、一番難しい内容だった、 文章が固いだけでなく、とても深く掘り下げて説明してくれているために難しい。2019/12/25

うみ

2
読みにくかった。パラドックスがたまらなく好きで、衝動的に手にしたんだけれど、どうしても内容が頭に入らない。ぐぬー。自分には合わなかったようだ……2017/09/23

オブ犬

2
ヘンペルのカラスや抜き打ちテスト(本書では死刑)などのパラドックスを通じて哲学的な思考の方法とその大切さを説く1冊。取り上げられるパラドックスは有名なものばかりだが、独自の見方や解決法が織り込まれている。2016/12/30

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