内容説明
日本の裁判員裁判に対して心理学に可能な貢献とは何か。心理学の視点または調査手法を用いた研究と、この新しく重要な司法制度との乖離を埋め、制度に付随する問題への理解を促し、運営・維持への提言を行う。
目次
第1部 法心理学領域の再構築と本書を通底する2つの視座(モード論に依拠する法心理学と情報的正義;世界の法心理学の歴史と展開;日本の法心理学の歴史と展開)
第2部 犯罪の発生から事件捜査における法心理学的問題:情報的正義の実現に向けて(捜査過程の情報収集としての目撃証言の取り扱いの問題;公判以前の事件報道と規制の問題;被疑者逮捕後の取調べ室の可視化と自白の任意性の問題)
第3部 公判開始から判決までの法心理学的問題:評議構造分析(裁判員裁判・評議過程の発話構造と内容分析;陪審制度の評議構造と内容分析;陪審制度と参審制度の評議構造の比較)
第4部 法心理学研究から見る裁判員制度への提案(総合考察:裁判員制度への応用社会心理学的アプローチ)
著者等紹介
若林宏輔[ワカバヤシコウスケ]
立命館大学文学部准教授。2013年立命館大学大学院文学研究科修了、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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