出版社内容情報
生まれ育った日本と留学生時代を過ごしたドイツ、二つの文化の間で魁夷が育んだ芸術論を、「〈あいだ〉の美学」として読み解く。
内容説明
ふたつの美に橋を架ける―生まれ育った日本と留学生として過ごしたドイツ、異なるふたつの文化の間で魁夷が育んだ芸術論を、「“あいだ”の美学」として読み解く。
目次
東山魁夷とドイツ
ドイツへの道
ベルリンの東山魁夷
日本のふるさと
西洋の文化と日本の文化
ドイツ再訪
日本の文化
日本の美術史
日本画の描き方
芸術作品ができるまで
日本の文化と中国の文化
唐招提寺の障壁画
“あいだ”の美学
東山魁夷の芸術論
著者等紹介
寄川条路[ヨリカワジョウジ]
1961年、福岡県生まれ。ボーフム大学大学院修了、文学博士。現在、明治学院大学教授。専門は思想文化論。和辻賞、日本随筆家協会賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
30
東山氏にとってふたつの世界とは、ヨーロッパと日本(10頁)。氏は航路でインド洋、スエズ運河、地中海経由でヨーロッパへ向かったという(14頁)。ドイツ絵画を学んだ(17頁)。温暖な自然と柔和な日本文化に育った氏は、西洋文化の厳しさにひかれ、自分を鍛え直し、豊かなものへと作り上げたいと願っていた(28頁)。日本文化の独自性を強調し、外国産を輸入して日本のものへと変えてきたのが日本人の特性とする(42頁)。日本画では絵の具が画紙に染み込まないよう、にかわ(ゼラチン)とミョウバンの混合液を塗っておく(53頁)。2015/11/22