内容説明
20世紀初頭の反売買春運動はアメリカに何を残したか。科学者・ソーシャルワーカー・財界人らによる社会改革の主導権争いが、現代アメリカの基層に刻みつけた痕跡。そして、変動の芽。
目次
序章 ゆれるアメリカを担うのは誰か―一九一〇年代「売買春問題」史をひらく
第1章 権威の争奪戦―一九一〇年代反売買春運動のゆれる争点
第2章 性衛生学と社会改良―医師プリンス・A.モローのジレンマ
第3章 ソーシャルワークの倫理と科学―「社会」の発見と橋頭堡としての性衛生学
第4章 連携、競合、膠着―アメリカ社会衛生協会という場
第5章 実践という契機、実効性という解―第一次世界大戦期の社会衛生運動
第6章 挫傷を負う社会衛生運動―一九一九年、基地厚生活動委員会の終わりと手放された「実効性」
終章 虫喰う近代―一九一〇年代反売買春運動から考える
著者等紹介
松原宏之[マツバラヒロユキ]
1971年大阪府に生まれる。1994年一橋大学社会学部卒業。1997年東京大学大学院総合文化研究科修士号取得(学術)。2005年カリフォルニア大学サンタクルーズ校歴史学研究科博士号取得(Ph.D)。現在、横浜国立大学院都市イノベーション研究院准教授(専攻/歴史学、アメリカ史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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