内容説明
地方自治から「地域自治」へ―国主導の「地方創生」ではない、根づき始めた「地域」の自治力をいかす法制と税財政の変革が必要とされる現在、自治権の確立と住民協働による内部自治の多制度づくりを軸に、新しい「地域自治法」の一国多制度的な進展への具体的道筋を示す。
目次
1 地方の自治から「地域」の自治へ(自治ことばとしての「地方」と「地域」;「地域」をつくる自治体と住民;地方自治法を超える“地域自治法”)
2 “地域自治”を法学的にどう捉えるか(憲法上の“地域自治権”保障;“地域自治法”の行政法的位置づけ;地域自治の“一国多制度”と行政学;多元的な地域自治を支える諸“特殊法”)
3 “地域自治体”の一国多制度な展開(「基礎」自治体とその「広域連携」;都市自治体の行政法的位置づけ;「広域」自治体とその“大広域連携”)
4 “地域自治権”の多制度な拡充と「政策法務」(自治体の政策的裁量権・自主解釈権と「政策法務」;課税自治権を真に確立させるために;地域自治立法の多制度な発展;地域行政執行における「裁量権」の生かし方;地域行政争訟の責任体制とは)
5 住民協働が左右する地域ガバナンス(地域自治における「住民協働」原則;地域自治を担う住民のいろいろ;“住民協働自治”を表す多制度;住民につながる自治体議会;地域協治における公選首長と自治体職員)
著者等紹介
兼子仁[カネコマサシ]
現肩書東京都立大学名誉教授。1935年東京生まれ。1957年東京大学法学部卒業、助手就任。1960年東京都立大学講師。1965年東京大学法学博士(新制論文)。1975年東京都立大学法学部教授。1994~7年日本学術会議会員。1998年東京都立大学定年退職、名誉教授。2001~7年川崎市市民オンブズマン就任。専攻は行政法学・自治体法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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