出版社内容情報
マドリード村歴史博物館にある歴史画に対し
25年ぶりの再会となったドン・キホーテ学者・荻内氏が
絵画に見出した「謎」とは……
荻内探偵は、その絵の細部に仕掛けられた歴史的事件の
「秘密」を発見した。さて、その展開や如何に!?
さて、史実をも記すとしよう。秘書官ペレスはフェリペ2世との確執から
逮捕され、1585年「役職剥奪」「宮廷追放(10年間)」「懲役2年」
「罰金」の判決が下る。拷問に負けずにペレスは脱獄しアラゴンへ行くが、
フェリペ2世は「アラゴン王」の名において、裁判所にペレスを再度起訴
する事態となり、異端審問にかけられることに。1591年、アラゴンでは
それを引き金に「フェリペ2世が司法を侮辱」と暴動が発生する。すかさず
フェリペ2世は鎮圧に軍を送ったのであった。その状況で、羊飼いに化けた
ペレスはピレネーを越えナバラへと逃れ、その後は、1593年にイングランド
へ行くこととなる。その地イングランドでは何度も暗殺の標的になり、更に
1595年には、アンリ4世の招きでフランスへ渡った三年後、漸く、1598年、
フェリペ2世が死去し、解放されたのだった。ペレスは1611年、パリで波瀾
の生涯を閉じることとなる。
内容説明
マドリード村歴史博物館にあった一枚の絵。「広場の日常風景です」とガイドは言った。しかし「あんなことも日常か…」そう思える場面があった。「忘れていたはずなのに…」絵との再会は二十五年ぶりであった。秘書官ペレスはフェリーペ二世との確執から逮捕。1585年「役職剥奪」「宮廷追放(10年間)」「懲役2年」「罰金」の判決が下る。拷問に負けずペレスは脱獄しアラゴンへ。フェリーペ二世は「アラゴン王」の名において裁判所にペレスを起訴。そして異端審問に。1591年「王が司法を侮辱」とアラゴンで暴動発生。フェリーペ二世は鎮圧のため軍を送った。羊飼いに化けたペレスはピレネーを越えフランスへ、さらにイングランドへ。イングランドでは何度も暗殺者の標的となった。そして1595年アンリ四世の招きでフランスへ。ようやく1598年フェリーペ二世の死によって解放。ペレスは1611年パリにて波瀾の生涯を閉じた。
目次
あんなことも、日常か
聖母発見
『待ち伏せにあって殺された騎士を聖母が憐れんで天国の栄光を授けた』
お尋ね者セルバンテスを追ってアラゴンへ
大発見。ビジャエルモサ公爵と国王の寵臣ペレス
アトーチャの聖母像
アルムデーナ教会
フランドル「オランダ、ベルギー、ルクセンブルク」
レパントの海戦。総司令官ドン・フアン・デ・アウストゥリア
「フランドルへ行け」。宝の山に叛旗が立った〔ほか〕
著者等紹介
荻内勝之[オギウチカツユキ]
1943年ハルピン生まれ。神戸市外国語大学卒業。バルセロナ大学文学部イスパニア研究科卒業、神戸市外国語大学大学院修士課程修了、1970年東京経済大学専任講師、助教授を経て教授。神戸市外国語大学で『ドン・キホーテ』の訳者・高橋正武の教えを受け、四番目の『ドン・キホーテ』完訳。児童文学の創作も行うユニークな文学研究者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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