出版社内容情報
「最初の職業的革命家、ブオナローティの生涯」
「バブーフの陰謀」の指導者の一人であり、19世紀に「革命の長老」と
呼ばれたブオナローティ。彼が活動した場はイタリア、フランス、スイス、
ベルギーと広範囲に及んだ。シアパが指摘するのはブオナローティの活動
の多面性である。1796年の「陰謀」の主要な指導者の一人として
フランス革命、総裁政府のありようにも影響を与え、『バブーフの陰謀』
(1828年)の著者としてだけでなく、主としてブリュッセル、パリでの
革命家たちとの交渉を通じて、西欧の社会革命家たちにも影響を与えたのだ。
それらとの同時代、「陰謀」挫折後、1837年に没するまで、マッツィーニ
とも競いあっていたイタリア統一運動指導者としてのブオナローティの姿もある。
本書は、同じくマルク・シアパの『革命家グラッキュス・バブーフ伝』
(彩流社、2019年)、ブォナローティ『平等をめざす、バブーフの陰謀』
(法政大学出版局、2020年)の訳者による完訳書である。
内容説明
十九世紀には「革命の長老」と呼ばれたブォナローティ。活動した場はイタリア、フランス、スイス、ベルギーと広範囲に及んだ。1796年の「バブーフの陰謀」の主要な指導者の一人としてフランス革命、総裁政府のありように影響を与え、『バブーフの陰謀』(1828年)の著者としてだけではなく、革命家との交流を通じて西欧の社会革命家たちに大きな影響を与え、1837年の死に至るまでイタリア統一運動指導者としても活躍した。本邦初の包括的な紹介。
目次
序論
第1章 青年時代
第2章 『コルシカ・パトリオッティコ新聞』紙
第3章 コルシカにおける革命家(一七九一~一七九三年)
第4章 サン=キュロットとして(一七九三~一七九五年)
第5章 陰謀家(共和暦四年)
第6章 流刑者(一七九七~一八〇六年)
第7章 スイスでの秘密結社オルガナイザー(一八〇六~一八二四年)
第8章 革命の長老(一八二四~一八三七年)
第9章 ブォナローティの人物像
付録
著者等紹介
シアパ,ジャン=マルク[シアパ,ジャンマルク] [Schiappa,Jean‐Marc]
1956年モロッコ(ラバト)生まれ。ニース大学文学部卒業。社会科学高等研究院(EHESS)にてディプローム取得。1992年パリ第一大学パンテオン=ソルボンヌにて博士号取得。バブーフ、バブーフ主義、そしてフランス革命史関係の出版物が10点余り。一時は労働組合運動の全国センターのひとつ「労働者の力(Force ouvri`ere)」代表や、自由思想(libre pens´ee)を研究する「自由思想研究所(IRELP)」代表を務めるなど、世俗性をめぐる現実の運動にも関わっている。労働組合運動、自由思想に関する出版物も数点
田中正人[タナカマサト]
1944年埼玉県朝霞市生まれ。奈良学芸大学付属小学校、愛知県東海中学・東海高校を経て、1963年京都大学法学部入学、1974年京都大学大学院法学研究科博士課程満期修了(フランス政治史専攻)。1974年愛知県立大学外国語学部(フランス学科)講師。2002年から愛知大学法学部教授。2015年3月定年退職。愛知大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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