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出版社内容情報
『ドン・キホーテ』の原点…「ドン・キホーテ・デ・
ラ・マンチャ」の頭を狂わせたスペイン最古の騎士道物語。
ガウラ(フランス)王とスコットランド王女との間に
生まれた不義の子「アマディス(アマデウス)」についての
物語「アーサー王伝説」につらなる、全ヨーロッパを舞台に
したアマディスとオリアナ姫との禁断の恋と
各国との死闘を描く奇想天外な伝説の書、大長編、前半!
本邦初訳!
「ドン・キホーテはまだ眠っていた。…ニコラス親方がまず
手渡したのは『アマディス・デ・ガウラ 全四巻』であった。
司祭が言った。
「はて面妖な。聞くところによると、この書物こそが
スペインで印刷された最初の騎士道本であって、ほかのものは
これを手本とも模範とも仰いでいるそうな。
邪悪なる教義を説く一派の祖師であれば、迷うところなく火刑じゃ。」
「いやいや」と親方が言った。
「この分野の書物で最良の出来だとも聞いておりますよ。
最高傑作として許されるべきですな。」
(セルバンテス『新訳 ドン・キホーテ』第6章より)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
59
ドン・キホーテこと郷士アロンソ・キハーノの愛読書。彼の口から何度アマディスの名を聞いたことでしょう。その言葉から窺われる剣と魔法の物語に心ときめかせたものでしたが、期待を裏切らぬ面白さ!ガウラ(ゴール)の王子アマディスと、彼の想い姫で大ブリテン(英国)の王女オリアンダを中心に、その兄弟や従兄、友人の騎士たちの冒険が語られます。高潔な騎士たちの天晴れな戦いぶりに魔法使いの予言や魔法の掛かった島での冒険が絡まり、物語を追う手が止まりません。讒言によりアマディス一統が大ブリテンの宮廷を去ることになって次巻へ。2020/03/03
彩菜
18
「なべての騎士の華にして鑑」、アマディス。王の息子でありながら生まれてすぐ海に流された数奇な運命を持つ彼とブリテンの王女オリアナ姫の恋を中心に、美しき姫君達と凛々しい騎士達の物語が紡がれます。「騎士道」に則る彼等の行為は当時の人々の理想を具現化しているのでしょうか。優雅で様式化され、洗練された宮廷舞踏を見るようです。…宮廷作法、恋愛作法、馬上槍試合、宮廷を中心に騎士達の求心運動とそこから遍歴への散開…。綺羅星の如き人々の舞踏と輝く軌跡、その真ん中に真昼の光のようなアマディスが居る事を確認しつつ下巻へ。2021/09/13
いとう・しんご singoito2
8
「印刷という革命」きっかけ。下巻の解説にも言うとおりドン・キホーテの心を狂わせた騎士道物語の代表作。荒唐無稽な強敵を相手にする天下無双の騎士達と、彼らの愛を捧げる秀麗眉目の貴婦人達の宮廷の物語。今日的には残酷でスプラッターな描写もたくさんあるけれど、それさえ気にしなければ、ある意味、テンポの良い展開。登場人物が多すぎるので上下巻に付属の関係図と上巻に付属の人物索引がとても親切。続きは下巻に・・・・2024/03/02
gibbelin
4
十分面白くて退屈しない。「往還を拾っている」と、RPGで雑魚敵に遭遇する感覚で、騎士が通せんぼしてて、果たし合いになるが、わりとストーリーに深く関わったりする。逆に巨人はモンスターでなくて、敵軍の騎士で、それなりに強くて名前がかわっている程度なのが意外。美少女ブリオランハは、萌えキャラですね。2020/02/04
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