内容説明
「テクスト理論」から「精神分析」まで、「文学理論」の「定番」をわかりやすく解説、今のわたしたちに意味のある形で実践する入門書!
目次
序章 文学の多様性
第1章 文学の言語
第2章 テクスト理論
第3章 受容理論
第4章 構造主義
第5章 脱構築
第6章 精神分析
著者等紹介
武田悠一[タケダユウイチ]
元南山大学教授、同大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かやは
8
映画や漫画、アニメやゲームにない文学の魅力とは、文字を読むことで思考が直接的に加速されている感覚を味わえることだと思う。思考から呼び起こされる感情はとても気持ちが良い。そんな文学の構造と、文学に限らない様々な物語について分析している一冊。物語は定型化してある方が、読者は自分の人生のモデルとして楽しめる。ならば文学にとっての個々の差とは、語り口であり演出なのだろう。読者と作者、どちらが上なんていうことはない。両者と作品が存在することで、世の中の物語に価値が生まれる。2017/12/31
にしの
6
読めたー! テクストはもともと「編む」って意味って初めて知った 引用も筋が練られていてわかりやすい 特にQ&Aがよくできていて、そこだけでも知識補てんになる 大学のときに読んでいたかった…2018/07/14
xyzw
5
ロシア・フォルマリズムから精神分析に至るまでの文学理論を、その発展の流れに沿って簡潔に紹介する入門書。文学を読むのに小難しい理論など不要であり、ただ「自然に」読めば良いとする主張に対し、そもそもそうした言説が近代以降に成立した文学理論に基づくものだと喝破し、懐古主義的な感傷に流されることなく現実の展開を見据えようとする筆者の姿勢は、学問の本来あるべき姿を思い出させてくれる。「読む」という、一見シンプルに見えてどこまでも奥深い行為の持つ無限の可能性──その一端を垣間見ることができたように思う。2017/09/07
7ember
3
決して悪い本ではないですが、フロイトの解説をせずいきなりラカンに入ったり、デリダもフーコーも飛ばしてバーバラ・ジョンソンの話はじめたり、ですます調のわりに初学者向けではない。現状、日本語で読める入門書としては大橋洋一『新文学入門』および『現代批評理論のすべて』土田知則その他『現代文学理論』の3冊を超えるものはないように思います。今後また入門書が出るとしても、文学理論そのものを歴史化する視点を含んでいないなら意味がないでしょう。ただ、4章の構造主義の解説は本質的かつ例も分かりやすく、素晴らしかったです。2021/03/26
Nobody1
2
入門書だが、註の量がすごい。ひと通り学んだ人には手っ取り早い復習になる。2019/01/17