出版社内容情報
宮崎アニメにも多大なる影響を与えた
堀辰雄の初期ファンタジー傑作が、
読みやすい新仮名遣いによって甦る!
多くの人が『風立ちぬ』『美しい村』『菜穂子』などの
サナトリウム文学を思い浮かべる
堀辰雄のイメージを一新するような、
モダンな姿で若者を魅了する東京浅草などを
舞台にした作品群の数々。
新興芸術派のひとりと目されていた堀の初期の作品には、
しばしば天使や妖精が出てくる。
空を飛ぶイメージと共に、水の中を漂い泳ぐイメージを
伴う作品も少なくない。
どちらにも軽やかな浮遊感があった。
堀辰雄の初期ファンタジーを彩る幸福感は、
現実と無関係ではなく、
むしろ現実の過酷さへの順応と防禦として
形作られたものだった。
「堀辰雄」のイメージを一新する、
静謐で摩訶不思議な浮遊感の世界に、浸ってみたい。
【収録作品】
「死の素描」
「羽ばたき Ein M?rchen」
「鼠」
「ある朝」
「夕暮」
「風景」
「眠りながら」
「蝶」
「あいびき」
「土曜日」
「窓]
「ネクタイ難」
「ジゴンと僕」
「水族館」
「眠れる人」
「とらんぷ」
「Say it with Flowers」
「ヘリオトロープ」
「音楽のなかで」
「刺青した蝶」
「絵はがき」
「魔法のかかった丘」
解説 天使と妖精たちのモダニズム 長山靖生
堀 辰雄[ホリ タツオ]
ほり・たつお
1904(明治37年)?1953(昭和28年)、日本の小説家。
代表作に
『風立ちぬ』『美しい村』『菜穂子』『大和路』など多数。
長山 靖生[ナガヤマ ヤスオ]
ながやま・やすお
評論家。1962年茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。
歯学博士。
文芸評論から思想史、若者論、家族論など幅広く執筆。
1996年『偽史冒険世界』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、
2010年『日本SF精神史』(河出書房新社)で日本SF大賞、
星雲賞を受賞。
ほかの著書に『鴎外のオカルト漱石の科学』(新潮社)、
『「吾輩は猫である」の謎』(文春新書)、
『日露戦争』(新潮新書)、『千里眼事件』(平凡社新書)、
『奇異譚とユートピア』(中央公論新社)など多数。
内容説明
『風立ちぬ』などのサナトリウム文学のイメージを一新するように、堀の初期の作品には、しばしば天使や妖精が出てくる。空を飛ぶイメージと共に、水の中を漂い泳ぐイメージを伴う作品も少なくない。そのいずれにも軽やかな浮遊感がある…。新仮名遣いで甦る摩訶不思議な世界。
著者等紹介
堀辰雄[ホリタツオ]
1904(明治37)年12月28日~1953(昭和28)年5月28日。東京都生まれ。第一高等学校在学中に、芥川龍之介や室生犀星に師事。東京帝国大学文学部国文科卒業。1927年『ルウベンスの偽画』で本格的にデビュー。1930年、処女作の短篇集『不器用な天使』を出版、同年『聖家族』で文壇に認められる。この頃、肺結核を病み、軽井沢での療養が多くなった。軽井沢を舞台にした作品も多く残す。病臥中にプルースト、ジェイムズ・ジョイス、リルケなどの西欧文学の影響による新しい創作方法を考案する
長山靖生[ナガヤマヤスオ]
評論家。1962年茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。文芸評論から思想史、若者論、家族論など幅広く執筆。1996年『偽史冒険世界』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、2010年『日本SF精神史』(河出書房新社)で日本SF大賞、星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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