出版社内容情報
19世紀英文学を中心に
カトリック精神史を辿り直す独特の学風。
戦後40年間の長きにわたって
上智大学で教鞭を執った英文学者・巽豊彦の遺稿集。
序章
【第一部】イギリス小説の紳士像
【第二部】上智大学とカトリシズム
英文学が示した紳士の条件とオックスフォード運動が
復興した自由教育の理念、そして著者が生涯を賭けて
研究したJ.H. ニューマンの理念は、
昨今の人文学軽視の風潮に対する抜本的な批判をも
秘めている。
【第三部】終の避暑地で
【第四部】ある伝記の試みー父・巽孝之丞
イギリスにおける最良の文化的遺産を
日本的環境にいかに具体的に受容したかを、
避暑地をめぐる随想と家族の評伝で綴る。
英文学正統のアカデミズムとともに
カトリック教会のジャーナリズムでも活躍した著者の
多角的な側面が凝縮された本書には、
真の教養人のありうる姿が描破されている。
編者序文 一粒の砂のうちに 巽孝之
序章 英国と英語と英文学/偶然の世界
第一部 イギリス小説の紳士像
オースティンにおける紳士像
トロロプにおける紳士像
ウォーとカトリシズム
ディケンズにおける紳士像
ニューマンの大学論
第二部 上智大学とカトリシズム
ニューマン・岩下・吉満ー復興への軌跡
舟川一彦著『十九世紀オックスフォードー人文学の宿命』
戦後の高揚期を偲びつつー追憶の『ソフィア』
安堵の沙汰やみー刈田元司先生回想
極右と極左ー秋山健先生追悼
第三部 終の避暑地で
松目への道
ブブノワさんと富士見
ある修道士の生涯ーアロイジオ神父のこと
大学誘致の夢
第四部 ある伝記の試みー父・巽孝之丞
巽孝之丞小伝(草稿)
巽豊彦年譜
初出一覧
解説 午後の紅茶のあとさきで 小谷真理
巽 豊彦[タツミ トヨヒコ]
たつみ・とよひこ
1916年東京生まれ。1940年東京大学英文科卒業。
5年間の兵役ののち、1946年から上智大学で教鞭をとり、
上智短期大学の創立に尽力する。
上智大学・上智短期大学・東京工科大学名誉教授。
2015 年12 月9 日逝去。
主著に『愛情は空気のごとく』(中央出版社)、
『人生の風景』(南窓社)、『人生の意味』(南窓社)、
主な訳書にJ.H. ニューマン『アポロギア』、
イーヴリン・ウォー『夜霧と閃光?エドマンド・キャンピオン伝』、
エリザベス・ギャスケル『ルース』他多数。
巽 孝之[タツミ タカユキ]
たつみ・たかゆき
慶應義塾大学教授。著者の長男。
内容説明
19世紀英文学を中心にカトリック精神史を辿り直す独特の学風。戦後40年間の長きにわたって上智大学で教鞭を執った英文学者・巽豊彦の珠玉の遺稿集。
目次
英文学への招待(英国と英語と英文学;偶然の世界)
第1部 イギリス小説の紳士像(オースティンにおける紳士像;トロロプにおける紳士像;ウォーとカトリシズム;ディケンズにおける紳士像―Great Expextationの場合;ニューマンの大学論―理想としての自由教育)
第2部 上智大学とカトリシズム(ニューマン・岩下・吉満―復興への軌跡;舟川一彦著『十九世紀オックスフォード―人文学の宿命』;戦後の高揚期を偲びつつ―追憶の『ソフィア』;安堵の沙汰やみ―刈田元司教授回想;極右と極左―秋山健教授追悼)
第3部 終の避暑地で(松目への道;ブブノワさんと富士見;ある修道士の生涯―アロイジオ神父のこと;大学誘致の夢)
第4部 ある伝記の試み―父・巽孝之丞(巽孝之丞小伝(草稿))
著者等紹介
巽豊彦[タツミトヨヒコ]
上智大学・上智短期大学・東京工科大学各名誉教授。1916年9月12日東京生まれ。1940年東京大学英文科卒業。5年間の兵役ののち、1946年から上智大学で教鞭を執り、上智短期大学の創立に尽力する。日本ニューマン協会会長2015年12月9日逝去
巽孝之[タツミタカユキ]
慶應義塾大学文学部教授(アメリカ文学、現代批評理論)。1955年、著者の長男として東京に生まれる。コーネル大学大学院修了(Ph.D,1987)。日本英文学会監事、日本アメリカ文学会会長、アメリカ学会理事、北米学術誌The Journal of Transnational American Studies編集委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。