内容説明
満84歳の新作書き下ろし。バニヤン著『天路歴程』、ダンテ著『神曲物語』を嗣ぐ、日本初長編書き下ろし死後文学。
著者等紹介
荒巻義雄[アラマキヨシオ]
1933年小樽市生まれ。早稲田大学で心理学、北海学園大学で土木・建築学を修める。日本SFの第一世代の主力作家の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天乃かぐち。
9
ペンローズの量子脳仮説を高校の図書室で読んだときのことを思い出します。マニエリスム芸術はやはり初耳だったので、それを調べたいです。マラルメや古今の芸術、あるいは日常の娯楽もやはり演劇性が重要なのではないかと考える次第です。2022/08/16
葛井 基
3
大法螺話かと思いきや新時代の聖書か。軌道世界文学にふさわしい言葉、ふさわしい文法はいかにして可能か考えさせる。
渡邊利道
3
三部作完結編。ここでもまた遠藤と冴子のコンビが外枠を作り、白樹が死後に彷徨う〈異界〉の旅、あるいは巡礼をマラルメ、ルネ・ホッケ、スウェーデンボルグ、ペンローズなどを参照しつつ絢爛に描く神秘主義的な思弁小説。心霊主義がかなりフィーチャーされていて、モノに対する懐疑が強いのだが、どこか「情報」という概念の数学的側面が欠けているようにも見える。複雑難解な物語世界であるにもかかわらず、長年の物語作家としての技量によって個々の場面のイメージ豊かなリーダビリティーは確保されていて読みにくさはまったく感じられない。2017/09/28
かやは
2
白樹直哉シリーズ完結編ということなのできれいに終わっているのですが、なんかこう、荒巻義雄作品がターンエーされたような読後感で、「白き日……」やメタSF全集を読み直してみたくなりました。2018/01/08
(ま)
2
マニエリスム、メタSF、Igitur 遺書なのかな2017/09/20