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出版社内容情報
第21回[春]スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。その空の色を、まだ誰も知らない。
酸素と同じように、人々の生命活動に精霊が不可欠な世界。
近代化された都市・アリステルに生きる人々は、常に上空を覆うダスト層雲によって空の青さを知らずにいた。
ダスト層雲を払い、精霊を呼び寄せることが出来るのは、箒に乗って魔法を使う儀式<グラオベーゼン>の担い手である<ヘクセ>と呼ばれる10代の少年少女だけ。
箒さばきと造形魔法が天才的なものの高所恐怖症という三流ヘクセの主人公カリムと、彼の幼馴染みで当代随一のヘクセ揺月は、過去の事故以来お互いのことを気にしながらも疎遠になっていた。
そんな中、アリステルの街を危機に陥れる規模の精霊不足が起こり、カリムと揺月は二人でグラオベーゼンを行うことに。
全く噛み合わない二人は、町の人々を救うため「青空」を招くことが出来るのか――。
稀代の新鋭が描く、空を駆ける青春ファンタジー。
藤宮カズキ[フジミヤカズキ]
フライ[フライ]
内容説明
「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。雲を払えるのは“ヘクセ”と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の“ヘクセ”揺月と再会する。しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で…?「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。第21回スニーカー大賞“優秀賞”受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
45
上空を覆うダスト層雲を払い、精霊を呼び出す儀式グラオベーゼン。その儀式を行う若き箒乗りたちの物語。この作品の最大の魅力はグラオベーゼンと呼ばれる箒乗りたちが魅せる空の舞ですね。空を舞台に、精霊達と戯れる箒乗り達の姿はとても幻想的で美しかったです。まさに魔法と言うに相応しい景色でしたね。過去の事件をきっかけにすれ違ったままの二人が、グラオベーゼンを通して、想いを伝え幼馴染としての絆を取り戻すシーンも胸にグッときて非常に良かった。切なく、爽やかな読後感の残る良い作品だったと思います。次回作も楽しみだ。2016/09/02
よっち
36
上空を覆うダスト層雲によって空の青さを知らず、人々の生命活動に精霊が不可欠な世界。ダスト層雲を払い精霊を呼び寄せるヘクセを務める高所恐怖症のカリムと幼馴染の少女・揺月の物語。幼い頃のカリムの危機を救い代償を負った揺月に負い目を感じて、長らくすれ違ったままの二人。街を危機に陥れる規模の精霊不足という危機に共に挑む中で描かれる精霊と戯れるグラオベーゼンの幻想的な描写や、随分遠回りこそしたものの自分の気持ちにきちんと向き合って、失われかけた絆を取り戻してゆく二人の繊細な距離感がとても素晴らしかったと思いました。2016/08/31
ナカショー
30
凄い良かった!イラストと相まって読了感は非常に爽やかでした。新人でこれだけ書けたらもう文句なしですよ。この作者さんの次回作にも期待します。2016/09/08
まるぼろ
26
人が生活する上で精霊が必要不可欠な世界で、幼い頃の後悔と恐怖心から空を高く飛べなくなってしまった「ヘクセ」のカリム・カンデラだったが、十年越しに幼馴染の樫宮揺月と再開するが…と言うお話です。とても良かったです。かつて揺月を助けに行けなかった罪悪感から正しく揺月を捉えられていなかったカリムと、助けた事による代償に心を痛めているカリムに距離を開けたことで関係を拗らせてしまった揺月、そんな二人を見ながらカリムを想うレイシャ先輩の、ミラー・ツリーの失敗以降での話が加速していく中での→2016/09/22
かんけー
19
フライさんの表紙でジャケ買い(^.^)世界観の説明が一切無く、最初から主人公のモノローグで淡々と物語?が語られて。想像で読み進めて行くが、ヒロインの心模様描写があっちこっち落ち着かない風に感じてしまい、今一ストーリーに馴染めなかった。ダスト層雲?の解説だけでもして欲しかったのだが、敢えて読む側の感性に委ねる?と言う方法論なのかなぁ~?と。ヒロインのユズキよりレイシャ先輩の方がカワイク感じちゃって(^_^;)ラストの二人の和解のシーンも淡々と進行して?良い読後感だけど、読む人によって印象は変わる作品?→2016/12/14
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