内容説明
2011年3月15日の朝、福島第1原発では何が起きたのか?津波対策の放棄に関する新たな事実も報告!
目次
第1章 福島第一原発事故と情報隠蔽
特別寄稿 吉田調書報道はなぜ葬られたか
第2章 原発情報はいかに隠蔽されてきたか
第3章 朝日新聞・原発「吉田調書報道」は誤報ではない
第4章 津波対策の緊急性は東電役員と保安院幹部の間で共有されていた―東電役員らに対する刑事責任の追及には根拠がある
第5章 (対談)朝日新聞「吉田調書」報道をめぐるPRC見解への疑問
著者等紹介
海渡雄一[カイドユウイチ]
1981年弁護士登録、34年間にわたって、もんじゅ訴訟、六ヶ所村核燃料サイクル施設訴訟、浜岡原発訴訟、大間原発訴訟など原子力に関する訴訟多数を担当。2010年4月から2012年5月まで日弁連事務総長として震災と原発事故対策に取り組む。脱原発弁護団全国連絡会共同代表として、3・11後の東京電力の責任追及、原発運転差止のための訴訟多数を担当
河合弘之[カワイヒロユキ]
弁護士。浜岡原発差止訴訟弁護団長、大間原発差止訴訟弁護団共同代表、中国残留孤児の国籍取得を支援する会会長など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
28
吉田調書:大事故を2度と繰り返さないため、市民自身の手で事故の原因究明と再発防止を検討するために必要不可欠。公開されれば市民に大きな公益(11頁)。放射性物質の拡散:同心円状ではなく、SPEEDIにより地形や風向きで濃淡を生む(19頁)。映画『日本と原発』有料試写会は、www.nihontogenpatsu.com/kproject#p01(52頁)。08年と09年の対策先送りこそが事故の決定要因(165頁)。やはり、国の借金も先送り。こんな国にしてしまって誰も責任取らない。どういうことなのか? 2015/08/05
100名山
6
誤報か否かは表現が過激であったというところで落ち着くのでしょうが、ここを起点に報道機関の弱体化を危惧し、更に東京電力の傲慢さとそれを支える国の更なる傲慢さを記した本だと思いました。地震や津波もそうですが、ピンポイントで原発にミサイルを撃ち込まれない保証はあるのでしょうか。2019/01/09
yamareco51
1
図書館で借りたが2週間では読み切れない。原子力基本法第2条の平和利用を初めて知った。第4条の民主的運営とか。なかなか興味深い。2022/01/07
kitakama633
0
ネトフリで「The Days」をみて、なんだか偏ってるなぁと、もう一方に偏ってそうな本を読んでみた。以下、本文より。p.194吉田さんは東電の幹部たちに対する反発がものすごく強かったと思います。直後の調書を読むと、「本店の奴ら」といった意識を感じます。それが、なぜだか分からないけども、秋頃になると菅直人の悪口をバンバン言うようになるのです。なんだか、一斉に民主党政権のせいにしようという大きな流れになっていきましたね。そして、その尻馬に乗ったのが、門田隆将さん※ですね。※The Daysの原作者2023/09/05