内容説明
18世紀末、アイルランド語詩の伝統が衰えゆくなかで、アイルランド語で書かれた幻想的パロディ―ブライアン・メリマン(1750頃‐1805)の『真夜中の法廷』。本書は、『真夜中の法廷』の日本語訳とともに、英語による文法解釈、メリマン論を集約した類例がない貴重な内容となっている。原詩と英語解釈、語彙ノートもついて、アイルランド語の学習にも最適!
目次
第1部 ブライアン・メリマン『真夜中の法廷』
第2部 解説(ブライアン・メリマン伝記;写本・テクスト・英訳;『真夜中の法廷』の韻律;アシュリングの枠組み;英語文学・スコットランド文学との関わり;同時代アイルランド詩人の影響;「エニス詩人会議」と政治・社会背景;英語文学への影響のはじまり―W.B.イェイツとフランク・オコーナーにとってのメリマン;『真夜中の法廷』の歴史的、社会的意義)
第3部 テクスト解説
著者等紹介
メリマン,ブライアン[メリマン,ブライアン] [Merriman,Brian]
1750‐1805。アイルランド西部のクレア県に生まれ育ち、グレーネ湖近くのフィークルで算術を教えながら農業も営んでいた。『真夜中の法廷』(C´uirt an Mhe´an O´iche)は見事な韻律で統制された1026行に及ぶ詩で、女性の立場から性の解放をパロディ風に訴えた。産業発展で増大した社会格差、アイルランドに高まった独立気運、衰退するアイルランド語文学伝統への憂慮のただ中に現われた現代アイルランド語詩の傑作である。晩年、リムリック市に引っ越してまもなく1805年に他界した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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