欧州周縁の言語マイノリティと東アジア―言語多様性の継承は可能か

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 267,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784779120091
  • NDC分類 802
  • Cコード C0080

内容説明

ミランダ語、アラゴン語、温州語、そして、播磨ことば(播州弁)など、グローバル化していく世界のなかで、衰亡に瀕する少数言語は、いかに保全され継承されるべきか!

目次

第1章 ミランダ語―「むくつけき田舎なまり」から「ポルトガル唯一の少数言語」へ(イベリア半島における「弱小少数言語」の位相;むくつけき鄙の谷のファラ・チャラ;ミランダ語言語法の成立まで;EU債務危機とミランダ語)
第2章 アラゴン語―王室のことばから谷底の俚言(パトワ)へ(アラゴン語か“アラゴン方言”か―外部からの再発見と同定;アラゴン語の東の果て―維持されるカタルーニャ語との接触;アラゴン語の西の果て―退行するバスク語とともに;「アラゴン言語法」をめぐる狂騒)
第3章 少数言語保全と言語多様性保全との相克―アイデンティティ・ポリティクスの末路としての少数言語保全は言語多様性保全につながるか(少数言語保全と言語多様性保全―その関係性;ボリビアからの照応;超高速化する人間の流動と言語―ディアスポラの逆説化、あるいはクレオール化猶予の終わり?)
第4章 言語多様性は継承できるのか―東アジアからことばのグローバリズムを照らし返す(“上海語”のふしぎ―「言語内言語」再考;漢字という前近代的廃品は回収不可能か―声と文字再考からの取りかかり;欧州の多文化/多言語主義は東アジアに適用可能か;東アジアの多言語システムは「表音文化圏」に言語多様性非干渉型コミュニケーション成立への示唆を与えうるか)
第5章 液状化社会における言語多様性継承の可能性―その多層的舞台配置を母語環境から探る(播磨の奥(=加古川流域の中心)と近代「地方語詩」の黎明
播州ことばというスティグマ
加古川流域―分断された流域圏の再生に向けて
ことばの多様性を維持する舞台の再配置に向けて)

著者等紹介

寺尾智史[テラオサトシ]
1969年、播州塩屋生まれ。加古川に育つ。東京外国語大学卒業。ポルトガル・スペインでの民間企業勤務ののち、研究活動に入る。神戸大学大学院総合人間科学研究科博士前期課程を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。神戸大学助教を経て、東京大学教養学部非常勤講師。日本修士論文賞受賞(2007年、三重大学出版会)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品