内容説明
「語り」が「騙り」となってどのようにフィクションの可能性を広げていくのか―ブッカー賞作家のアトウッド、バーンズ、イシグロからE.M.フォースター等、読者の「解釈を拒む」テクストを取り上げ、「語り」の不確かさに迫る。
目次
「語り」というフィクション
第1部 人生の可能性を広げる「語り」(物語生成のダイナミズム―マーガレット・アトウッドの「母の人生において意義のある瞬間」;「今、ここ」の限界を超えよう―ジャネット・ウィンターソンの『パワー・ブック』)
第2部 信頼できない「私」の「語り」(クイアな語り手―アニタ・ブルックナーの『英国の友人』;「語り」の起源としての母―カズオ・イシグロの『わたしたちが孤児だったころ』 ほか)
第3部 限定された視点(「語り」とテクストの位相―キャサリン・マンスフィールドの「至福」;赤く息づく卵から孵化する物語―マーガレット・アトウッドの「青ひげの卵」)
第4部 ジェンダーを揺さぶる「語り」(ジェンダーのねじれ―E.M.フォースターの「紫色の封筒」;混乱するジェンダーとセクシュアリティ―E.M.フォースターの「アザーキングダム」)
第5部 「語り」は騙る(ゴシックの家から非言語の部屋へ―ミシェル・ロバーツの『家の娘たち』)
著者等紹介
平林美都子[ヒラバヤシミトコ]
名古屋大学英文学科卒。同博士後期課程満期修了。現在、愛知淑徳大学文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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