内容説明
差別、貧困、暴力…極めて劣悪な人権状況と教育環境のなかで、敢然と立ち上がり、さまざまな妨害と圧力に屈することなく、闘い続けた無名の女性とその家族。地元ミシシッピにおける黒人地域社会の歩みと、権利獲得を語り継ぐ長い「公民権運動」の回想録。
目次
第1章 奴隷制時代と幼少期の思い出
第2章 選挙登録への挑戦
第3章 人種統合という選択とハーモニー学校
第4章 フリーダム・サマーとその後―一九六〇~一九七〇年
第5章 公民権獲得の活動は続く
第6章 活動の日々を思って
著者等紹介
ハドゥソン,ウィンソン[ハドゥソン,ウィンソン][Hudson,Winson]
1916~2004。ミシシッピ州リーク郡のハーモニーに生まれ、同地に没したアフリカ系アメリカ人女性。1940年代(20歳代後半)に初めて選挙登録を試みた。1950年頃、地元の初等教育に従事。1961年から1964年にかけてNAACPミシシッピ州支部の助けを得て姉や夫らと共に公立学校の人種統合活動に尽力した。1964年にはミシシッピ・フリーダム・サマー計画のボランティアを受け入れて共に活動した。1967年以降は、貧困問題の改善やヘッドスタート事業の設立など、地元住民と共に多岐にわたる公民権活動を続けた。リーク郡に1961年に創設されたNAACP支部の副支部長(1961年)、さらに支部長(1962‐2001年)を務めた
カリー,コンスタンス[カリー,コンスタンス][Curry,Constance]
1943~。1960年の学生非暴力調整委員会(SNCC)創設時の社会人顧問の一人。その後、クエイカー教組織の活動などを通して南部の公民権運動に多面的に関わるとともに、ジョージア州政府の下で貧困家庭問題および児童の健康問題に取り組む。1990年代以降、執筆活動に専念し、Silver Rightsでリリアン・スミス賞受賞。ドキュメンタリー映画制作などでも活躍中
樋口映美[ヒグチハユミ]
専修大学教授(アメリカ社会史、人種関係史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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