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内容説明
17世紀スペインにおけるキリスト教とイスラム教世界の対立を背景に。ラ・マンチャの男の狂気とユーモアに込められた奇想天外な騎士道物語。
著者等紹介
岩根圀和[イワネクニカズ]
1945年、兵庫県生まれ。神戸市外国語大学修士課程修了。神奈川大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
93
面白かったです。騎士物語を読みすぎたあまり、妄想にとりつかれるドン・キホーテ。妄想発言や行動をしているかと思えば真面目に哲学的なことを行っている、そのギャップに笑えました。騎士物語に書かれていることを本当と勘違いし、ロバのロシナンテにまたがり、サンチョ・パンサをお供に本当に旅に出てしまうのには驚かされます。楽しくて読む手が止まりませんでした。下巻も読みます。2016/04/28
セウテス
49
【ガーディアン1000再読】最初に読んだのは小学生の時であり、以来数回は読んでいます。愉しく笑って先へ先へ進みました。簡単に話せば、ラマンチャの田舎の郷士の男が、騎士物語を読みすぎて、書かれて在る事が全て真実であると思い込んでしまう。男は自らを騎士ドン・キホーテと錯覚し、農民サンチョ・パンサを従者に、痩馬ロシナンテにまたがって、旅をする話なのです。始めて読んだ頃は、衰退した騎士という夢であっても、一途に信じて進む事の大切さを、描いた作品だと思っていました。それが読む度に、全く違う感想を持つ事になるのです。2015/07/10
fseigojp
27
翻訳の岩根先生の中公新書 贋作ドンキホーテ,物語スペインの歴史正続の併読が大変有用だった 劇作家になりたかったが小説(とくに短編)に才能があったセルバンテス スペイン系の作家たちが祖先と仰ぐのも納得 本書は長編だが,連作短編としても楽しめる2016/07/30
NAO
26
最初に読んだのは岩波児童文庫だったが、全訳を読むのは初めて。騎士物語を読み過ぎて理性を失ったドン・キホーテの妄想・妄言と現実とのギャップが呆れるほどに面白いのだが、そんな破天荒な行動をとるドン・キホーテが、たまにびっくりするほどまともなこと、哲学的なことを言うのだから、ただのドタバタ喜劇だけで終わらない魅力が出てくる。主人の狂気に気づいていながら報酬にほだされて付き従っている従者のサンチョ・パンサの俗物ぶりも、かえって愛嬌があって親しみを感じる。2015/07/31
粋花
9
騎士道物語に関する時だけ妄想にとりつかれるドン・キホーテ。それ以外はとても良識ある優しい郷士さま。読んでいくうちにそのギャップがおかしくて物語にのめり込んでしまった。まだこれで前編。後編も読んでみよう。楽しみ♪2016/02/29