内容説明
徐福。BC三世紀。秦始皇帝に不老不死の薬を探しに行くと称し、日本といわれる蓬莱国へ亡命し、五穀を日本に伝えたとされている。だが、日本の神話はこれを抹殺、五穀の起源をスサノオのエピソードにしている。スサノオは神話の中の出雲の神だが、徐福は『史記』に登場する歴史上の人物だ。といっても、本家中国でも長い間、徐福は伝説上の人物で、それが事実と認められたのは徐福村発見(一九八二年)から四年もかかった。徐福伝説のおもしろさは、伝説が日本の沖縄から青森まで散在していること。弥生の初期に当っていること。つまり、五穀が飛躍的に人口増加をもたらすキッカケになったと考えられることだ。さて、徐福を生んだ古代中国の“残影=日本文化の基層”を求めた旅の始まり…。
目次
プロローグ 新しいパスポートを携えて
1部 徐福源流紀行(連雲港―徐福の旅(1)徐福と始皇帝
琅耶台―徐福の旅(2)徐福村にて
青島―徐福の旅(3)徐福島 ほか)
2部 徐福伝説―蓬莱の国(鹿児島―串木野の徐福;八代―河童伝説;武雄温泉―薬草 ほか)
エピローグ 古いパスポートを携えて
著者等紹介
奥田継夫[オクダツグオ]
1934年(昭和9)大阪生まれ。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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