内容説明
気分屋、自信家、空想家、そして三流の著述家たち…テオフラストス・サッチ氏が語る、“ちょっとヘン”な人びと―19世紀英国を代表する作家ジョージ・エリオットが最晩年に至った新境地。該博な知識と深い洞察に、風刺と諧謔を存分に織り込んだエリオット版『人さまざま』、ついに初訳なる。
著者等紹介
薗田美和子[ソノダミワコ]
女子栄養大学名誉教授、津田塾大学大学院博士課程単位取得退学
今泉瑞枝[イマイズミミズエ]
いわき明星大学教授、津田塾大学大学院博士課程単位取得退学。日本ジョージ・エリオット協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
7
うん?面白くない?エリオット最後の作品。テオフラストスはアリストテレスの弟子で古代ギリシャの哲学者。その彼に笑いを誘う人物スケッチ『人さまざま』という著書があり、それを踏まえたヴィクトリア朝版人間研究というところ。「気性だけが残念な気分屋の男」(気分屋の時点で残念だ)や「知識の番犬」あたりはまだよかったけれど、誰の話?という展開になったり、概して堅苦しくてくどい。人のことをあれこれ言うけれど、同じ要素を自分も少なからず持っているのであって、というような最初の律義な釈明には、まずまずそうだなとは思う。2012/06/09