出版社内容情報
先天的心臓障害を抱え、数度の手術に耐えて23歳を生きる。書斎、学園、とぎすまされた感性で切り取った日常と焦燥と不安……。
新世代の詩人が紡ぐ“闇から光”への転位。
▼収録作品▲
一 闇
私のアジト
闇をまとった……
甘き悪夢
DARK NIGHT
仮面幻想
のっぺらぼう
心の空白
幻
悪魔召喚
悪魔よりも
十字架
嘘ばかり
動物園
イルカとサメ
叫び
砂漠のトカゲ
血のイメージ
魔物の仮面
迷路
二 闇から光へ
櫻に見守られて
ひねくれ牧神
さびしがりや
ねんど細工
雨の文化祭
子供達よ
平和だなあ
忙しさの中で
独りぼっちの夢
昔々……
完全なる愛
小さな罪
化け物が好き
闇だから
トゲの優しさ
独りぼっちのコウモリ
手
雑草
心臓の音
今日
三 光
扉
春風の暖かさ
春風の詩集
心の海の底
夏の昼下がり
詩集
秋風の電車
水晶の夜
日溜まりの布団
青空は、いいな
四 詩の歌―あとがきにかえて
幻
自分が今、見ているものは
全て幻ではないだろうか
予定帳に書かれた日付けも
いっしょに話をしている相手も
真剣な表情で語られるニュースも
楽しそうに騒ぐ娯楽番組も
疲れた心を抱え、変わり映えの無い
仕事場へと向かうサラリーマンも
そして、この場に間違い無く
存在しているはずの自分も……
この世界のありとあらゆるものが
ある時、フッと消えるのではないか
そして自分は「何も無いところ」で
独りだけになってしまうのではないか
そして自分も消えてしまうのではないか
私は消えるのが恐ろしい
死よりもなお、恐ろしい
詩の歌―あとがきにかえて
何がため 生まれて来たと 問う時に
寂しげな風 吹き抜けるかな
どこまでも 広がる世界 書ける詩は
自由奔放 素晴らしきかな
内容説明
とぎすまされた感性で切り取った日常と焦燥と不安と…新世代の詩人が紡ぐ“闇から光”への転位。先天的心臓障害を抱え、23歳を生きる。
目次
1 闇(私のアジト;闇をまとった…;甘き悪夢 ほか)
2 闇から光へ(桜に見守られて;ひねくれ牧神(パン)
さびしがりや ほか)
3 光(扉;春風の暖かさ;青空は、いいな ほか)
著者等紹介
樋口元洋[ヒグチモトヒロ]
1983年7月、三重県に生まれる。現在、同県に在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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