内容説明
人身売買が当たり前だった19世紀末、ついに娼妓たちが立ち上がった。籠の中の鳥は自由の身になれるのか?自由への戦いの顛末をたどる、渾身のノンフィクション。
目次
遊廓、戦慄の実態
変化の兆し、自由廃業第一号誕生
奈良木辻遊廓の脱走劇
名古屋旭新地、自由廃業勝訴への執念
三重県神戸町十日市遊廓の騒動
活躍する救世軍と宣教師モルフィ
『毎日新聞』による津田きみ救出支援
『二六新報』の吉原遊廓綾衣事件
神戸福原遊廓、自由廃業への苦闘
熊本二本木遊廓、押し寄せる自由廃業の波
大阪五廓、後押しする条例改正
自由廃業、最後の闘い
唄い継がれる東雲のストライキ節
遠かった公娼制度廃止への道
著者等紹介
下八十五[シモハチジュウゴ]
1925年、福井県生まれ。1942年、旧制県立福井工業学校卒業。1943年、川崎航空機工業株式会社入社。1945年、軍隊入隊のため退社。1955年頃より機械設計業自営。1999年、「自由廃業哀話」で第18回潮賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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及川まゆみ
3
自費出版の本ですが幻冬舎ルネッサンス刊行なので質のいい本だと思われます。自由廃業の話はあまりよくわからなかったのですが、とても詳しく、わかりやすく書かれていて読みやすかったです。一部が小説のような書き方になっていて、まったく知る由もない過去の世界のイメージをつかむことが出来、そこに人々のドラマを深く感じました。それにしても有田音松という男の商売ときたら……(-"-) それにしても本当に日本は男尊女卑にの上に文化を築いてきたなぁと思います。そこに立ち向かった男たちを、この本の中に見つけることが出来ました。2014/09/10