内容説明
オブジェ、構成、インスタレーションといった“類彫刻”全盛の時代のまっただ中で、真の彫刻はいかにそれらを超え出て輝くことができるか。同時代の彫刻に厳しい眼差しを注ぎながらもその希望の解を求めつづけた稀代の批評、ここに集成。明日の彫刻はここから始まる。
目次
1 現代彫刻を考える十二講(はじめに仮説あり;不透明な、特殊な、物体;存在論から現象学へ;知覚と心理と存在と;物をして語らしめる;彫刻のトートロジー;彫刻に選ばれる物質;実在を代行したモノ;アメリカの物性彫刻;甦った配置の芸術;物と場所から状況へ;彫刻、この不透明なるもの)
2 二十世紀の彫刻(「類彫刻」の時代;存在にさす移ろいの影)
3 帰還、あるいは逍遥(彫刻とは「分からぬ」ものなり;彫刻の不透明性について;「彫刻」をふるい起こそう;モルペウスの芸術をたたえて;彫刻はいま健康である;ロダンをしのぐロッソの作品群;神学と修辞学)
4 とどまる手と超える手の間で(“かたまり彫刻”とは何か;彫刻は「関係」からの超出を志向する)
著者等紹介
峯村敏明[ミネムラトシアキ]
1936年、長野県に生まれる。東京大学文学部卒業。美術評論家。多摩美術大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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