内容説明
大学で心理学の教鞭を執っていた夫が、定年後、認知症になってしまう。妻である著者は病の宣告にショックを受けるが、それ以上に、「認知症」が偏見や差別の対象となる社会的な病であると知り、暗澹たる思いに捉われる。その時ふいに著者の胸に浮かんだのが、かつて夫から言われた言葉―「医学を信頼することは大切だけれど、医師の言葉を鵜呑みにしてはいけない」―そして、聖書の中の言葉、「明日のことを思い煩うな」―。それらが重なり合って著者の胸に響き、現状を嘆くのではなく、夫と過ごす一日一日を大切にしようと改めて決意する。介護問題、命の尊厳や家族の絆、愛について考えさせられる感動の手記。
目次
第1章 アルツハイマーの発症(脳の検査;名前の魔力―アルツハイマー;家族との関わり)
第2章 アルツハイマーを抱えて生きる(社会との関わり;噂の余波;癒やしの京都旅行;誤診)
第3章 脳出血と入院生活(脳出血発症;急性期集中治療の現場で;再転院;退院の準備)
第4章 試行錯誤の在宅介護(在宅介護の始まり;自宅への再適応;古武術介護法との出会い;生と死の狭間で)
第5章 今、夫とともに(一年遅れの金婚式;生きている喜び)
著者等紹介
神保タミ子[ジンボタミコ]
1935年、横浜生まれ。58年、東洋英和女学院短期大学英文科卒業後、60年まで横浜YMCA外国語学校に講師として務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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