感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
54
「指導として殴る、これは新しい指導だ」。暴論を正義として滔々と語り、「死」は狭い世界に閉じ込められ逃げ場のない赤色連盟の心を恐怖と熱狂に巻き込み、正義を歪に塗り替えていく。本人が「総括」を成し遂げる為の手助けという詭弁の元に仲間を殴り「がんばれ」と声をかける人たちの頭には、死へのカウントである数字が刻印されている二重の恐怖。死の恐怖を克服する為にと口にしながらも、自らの身にも降りかかろうとしている現実を逸らすべく狂気に身を委ねる異様な光景が赤黒く覆いつくす怒涛の3巻。2023/10/09
秋 眉雄
14
Know your rights.You have the right not to be killed.Murder is a crime.2023/08/21
cape
3
総括という言葉がゲシュタルト崩壊。リンチシーンが辛すぎるので直視しがたい山岳ベースメインの3巻が、ヤマ場なので登録。「なんかヤバい人たちが起こした過去の事件」というふんわりした認識ではいけなくて、たかだか半世紀前におんなじ人間が起こした実際の事件なのだということを刻んでいかねば……閉鎖的な空間のなかで、ちょっとずつ狂っていき、異を唱えたら処刑される恐ろしさよ。定本の全4巻読了。2023/07/03
ドント
2
わ、わ、わ、ワァ……。山中で蓋をされたように人間たちが、思想が、執念が煮詰まっていき、ついに始まってしまう「総括」という名の暴力。その果てに死が現出しても「これは、気持ちが足りていなかったゆえの死。敗北死」「これは死を怖れすぎて死んだケース。これも敗北死」と膏薬の如くどこにでもくっつく理屈を持ち出し是としていく。仲間の死、粛清、先細りする活動などがあったことを我々は見ている。突如としてこの無理が出現したのではないことを知っている。わ、わ、わ、ワァ……と言葉を失うしかない。2023/02/07
なつのおすすめあにめ
2
次巻、ついにあさま山荘事件……。2023/02/02