感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akihiko810/アカウント移行中
13
思春期の「性」にゆれる、女子高生たちの群像劇短編集。7/10 幼少期に性被害を受けた少女、脳性麻痺で車いすの少女などが、自らの性欲や性の主体となることに直面する話。少女たちは瑞々しいが、同時にドロッとした闇のような性欲も抱えていて…。 期待して買ったのだが、思った以上に普通の短編集であった。作者はこのような思春期を描く路線でけば、作風をつかむのには成功すると思う2021/01/05
Merino
10
少女期の「性」がテーマの短編集。/幼少期のとある夏の日のトラウマ。その夏が多感な時期の邪魔をする。好き合った男子との距離を埋めきれず、幸せになれそうでなりきれないもどかしさ。/足に障害を持った少女の恋は切ない。でも勇気を出してのアタックが嬉しいカタチで認められ、報われていたように思う。/「女同士でベタベタくっついて気持ち悪い」若い頃は私もそう思う事が少なくなかった。そう、それがある種の嫉妬を含んでいたり、異性間の恋愛感情を疎ましく感じていた事も理解の上で(但し私の性別は男、何故こうなったかはあまり理解→2019/05/03
kamakura
6
何かの書評で見たが、忘れていた。京都出町のSava booksという面白い本屋でつながった。女性が描く高校生女子の性意識と行動。女子が性欲を表に出したらだめという社会意識を越えようという意気が見える。そして女子という性への屈辱も描く。(電車内でスカートに精液をかけられた子が出てくる スカートを洗ってあげた女性養護教諭に、その子の男性担任は、「(僕がスカートを)生徒に渡しておきます」とこともなげに言う。)しかし深入りはしないように描いていて、どの単話も心理描写はあっさりしている。そう描いた狙いを聞きたい。2023/12/10
Moku
6
綺麗で繊細な絵柄に惹かれて読みました。当たり前に好きな人(同性でも)と恋をすることができない少女たちの葛藤や悔しさ、悲しさがよく表されていて切なかった。もう一つの作者の短編集も読んでみたいと思う。2019/05/30
k
4
〈脳性麻痺で車椅子だけど普通に恋がしたい女の子〉の話が圧倒的に胸に刻まれた。少女期の潔癖さの中で、自分の欲望を肯定できるようになるまで。本当に10年も数十年もかかる人もいる。2019/10/04