感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
多田幾多
32
実験漫画と言って良いと思う。それほどアングラでナンセンスな漫画なのだ。普通は「絵」と「台詞」を同時に読んでやっとそのシーンがどうなってるのか分かるのだが、この漫画は台詞という者がほぼなく、コマの中には漫画というかイラストといえるものが描かれているのが延々と続いていく。どっちかと言うと、「イラスト」をみてこの話を自分の想像で補う、という感じの漫画だと思う。まあ、夢を見てる気分で、読んで欲しいな2014/06/11
踊る猫
30
実に空前絶後な作品群だが、ぼくなりに語るならばぼく自身の脳内(意識)を変容させ、異世界へとトリップさせる魔性のポップさ・愛らしさを感じた。それこそ「ラリった」感覚を直接的に叩きつけたような、妙になまなましく文脈を無視して浮かび上がる細部もまた印象的に感じられる(タイポグラフィを効果的に配しているところもまた「ニクい」)。聞いた話では事前に青写真を作るようなやり方ではなくアドリブを駆使したということだが、その偶発的な作り方ゆえの「ハプニング」をも呑み込んでここまで作品群としてふとらせ、熟成させたということか2025/06/12
二戸・カルピンチョ
26
佐々木マキさん、こういう作風だったのかっ!と驚いた。ガロから出発、貸本の時代を彷彿とさせる初期の漫画作品は、一コマずつに凝縮されたメッセージに目眩を起こす程で、結果ナンセンス。そこから時間を経て少しストーリー性が出てくる作品があり、大変面白くなる。おおかみもムッシュムニエルも少し出てくるよ。「六月の隕石」「ぼくのデブインコちゃん」「スキャット大佐の記録」が佳き。「旅の天使」も文章とイラストで、メランコリックで好きです。2023/03/18
ぐりとぐら
25
羊男といくつかの絵本の知識のみで読んでみたら、すごかった。とにかくいろんなものがみっしり詰まっている感じ。ストーリーっぽいのは、地獄の話と、ふくろうと子猫の話と、髭のおじさんの話くらい。あとは、哲学っぽい感じ。その意図はないということですが、なんとなく、反戦とか政治っぽさはうっすら感じたなぁ。世代じゃないけど、ガロっぽいイメージだなって思ったら、やっぱりガロだった。2022/01/30
読み人知らず
16
ナンセンスな、せりふがほとんどない漫画が多い。絵本でしか知らなかった佐々木さんのせかいはこんなにもいろいろだった2015/07/18
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