出版社内容情報
「社会」を描かないものとして長らく揶揄の対象となってきた〈セカイ系〉。しかし、 その誕生が2000年代初頭であったことを思い返すと、インターネットの普及によって「世界」の意味するところにドラスティックな変化が起きたことを鋭敏に捉えた想像力でもあったのではないか。〈セカイ系〉をキーワードにアニメ・音楽・アート・哲学などを横断して論じる評論アンソロジー『ferne』が話題を呼んだ気鋭の論客・北出栞の初著作。
まるで「世界の終わり」だと思わずつぶやきたくなる時代を前にして、まずは沈黙のうちに自分の感情と向き合えないか。〈セカイ系〉という言葉は、私たちにそんな問いを呼び起こさせるように感じる(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつのおすすめあにめ
5
浜崎あゆみの歌詞がセカイ系っぽいみたいな話は面白いけど、なんでもかんでもセカイ系にぶち込んでいる気がした。個人的にはもっと『グリッドマンユニバース』などのアニメ批評などのセカイ系論が読みたかった。2024/04/26
耽溺
1
特に保険をかけることもなく直接的に「祈り」というタームを使うナイーヴさがあまりにも気になりました 最終章以外は批評としてお手本で、それ故につまらないという感じだったので、私が過激なことを求めている変な人というだけで片付けられていいと思いますが、最終章はこんな馬鹿なことを言うために今までこの紙幅を積上げてきたのか…、という感じで、ウィトゲンシュタインの解釈もシッショー(笑)って感じです ふつうに現役院生とかが「同人誌発の作家が商業的に初デビュー!」みたいな話題性を求めて書かされたものかと思ってました2024/04/26