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内容説明
食物が世界文明を築きそして崩壊させた。メソポタミアからエジプト、古代ギリシャ・ローマ、中世ヨーロッパ、現代のアメリカ、中国まで、食糧の視点から描く1万年史。
目次
第1部 食糧の代償(市―食糧交易;食糧貯蔵庫―一万トンの穀物をどうするか?;農場―利益のための食糧生産と環境からの搾取)
第2部 のしかかる代償(水―危険をはらむ潅漑;土―生きるための化学;氷―食糧の保存)
第3部 からっぽのポケット(血―食糧の征服;金―茶と飢饉;時―フェア、オーガニック、そしてスロー)
結論 大食の新しい潮流と明日のメニュー
著者等紹介
フレイザー,エヴァン・D.G.[フレイザー,エヴァンD.G.][Fraser,Evan D.G.]
英国リーズ大学地球環境学部で「持続可能な開発」を専門に上級講師を務めた後、2010年よりカナダ、グエルフ大学地理学科で准教授となる(専門は「グローバルな人間の安全保障」)。英国、タイ、ベリーズ、カナダなどで食糧生産を体験。研究論文を多数発表しているほか、政治家に対し環境問題に関する政策提言もおこなう
リマス,アンドリュー[リマス,アンドリュー][Rimas,Andrew]
ジャーナリストとして“ボストン・グローブ”紙など数多くの媒体に寄稿
藤井美佐子[フジイミサコ]
翻訳家。横浜市立大学文理学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
9
いわゆるシャーペンで書き込みが不快に思った図書館の本。消しゴムで消しながら、前借りた人の思考を辿る(7-21頁)。どうも大学生のレポートらしい。理由は、冒頭の部分しか読んだ形跡がない。おいおい。「農耕は人の健康を低下させ、社会にくさびを打ち込む一方で、環境にもダメージを与えた。最も明らかな犠牲者は野生動物だった」(131頁)。現代も農業の環境破壊は続いている。自然との共生とは言い古されているが、今でも困難である。わが子の健康よりも小売業者の儲けが重視されていると、貧困者は暴動を起こした(210頁)。深刻。2013/04/04
Mealla0v0
5
食糧帝国は、①食料の余剰生産、②取引の仕組み、③保存と流通の手法があって初めて成立する。都市社会が自らを養うために作り出した一連のシステムが食糧帝国である。歴史上の食糧帝国の衰亡は、土壌劣化・気候変化・作物の専門化を主要な要因とするが、現在ではそれらに加え化石燃料という非常に安価なエネルギーに支えられているこの持続不可能性を加えていいだろう。人口圧が土壌劣化を加速させ飢餓を招来しかねない。食糧帝国が持続可能であるためには、ローカルな食糧生産と流通という方向、バイオリージョナリズムが考えられるだろう。2022/12/27
遊未
5
食糧問題…問題を提起してくれる本が増えているのは良いことだと思います。未来の予測はできても、回避可能な方法は? ルネサンスの衰退期にフィレンツェから食品による金儲けを追って世界を巡ったフランチェスコ・カルロッティの「世界周遊記」と共に歩みつつ食糧の問題が提起されていきます。2018/07/08
ふぇるけん
5
帝国の盛衰をその時代時代の食糧事情と重ね合わせて説いた良書。農耕とはそれ自体が地球に蓄えられた養分を消費する行為であり、自然破壊につながるものだ。特に単一作物を大量生産する方式は自然への負担が大きい。現在の農業は膨大なエネルギー消費に支えられているものであり、持続可能でないにも関わらず、その資源コストは価格に反映されない。現代文明が食糧危機に陥る前に何かできることはあるのだろうか。2014/08/22
ELW
2
メソポタミアや中世ヨーロッパの大開墾時代の詳述は非常に勉強になった。 人間社会の多様性も生態系の多様性も同根で大事だと改めて感じた。『薔薇 の名前』を読んでおいて良かった。2013/11/19
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