出版社内容情報
平和への願いを込めた短編を集成!
終戦記念日を機に、国民的まんが家4人がそれぞれのやり方で表現した「平和への願い」を1冊にまとめます。
収録作品は、過酷な戦場体験を昇華した水木しげるの「硫黄島の白い旗」「カンデレ」、内地で空襲体験をもつ手塚治虫の「とざされた記憶」「猫の血」など、日常を脅かす核戦争の恐怖をSFに託した藤子・F・不二雄の「超兵器ガ壱号」「マイシェルター」など、同じくSFの形で未来戦争への想像力をふるった石ノ森章太郎の「時ヲすべる」「くだんのはは(小松左京・原作)」など、選りすぐりの全12編です。
水木 しげる[ミズキ シゲル]
著・文・その他
手塚 治虫[テヅカ オサム]
著・文・その他
藤子・F・ 不二雄[フジコ エフ フジオ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
48
★去年、安保法案が通った。今年、自衛隊が駆け付け警護で海外派遣された。日本は少しきな臭くなっている。★戦争の悲惨さを伝える戦前戦中の方はすでにご高齢で、今後ストーリーテリングとしての座は文学と漫画と映画に託される。『あしたは戦争』やこうした出版物は今後も続けてほしいと願う。★水木さんの絵のタッチはホントは好きではないのだけれど、命や不条理をテーマにした時にはぴったりはまる。実際に戦場体験もあり一番力のある作品でした。2016/11/24
かおりんご
38
漫画。やっと手にすることができました!個人的には、水木さんの話が好きかな?でも、やっぱり水木さんは自身の体験談が一番です。巨匠の作品でしたが、思っていたより心に響かず。2016/04/27
馨
27
4巨匠による反戦漫画。思ってた以上に何というか、レベルが高いです。戦争を二度としないという訴えを、全て大東亜戦争も絡めているのですが架空の話として、未来の話として、その角度から描くのかぁ~という感じ。核戦争への懸念も、起こらないだろう、と勝手に思い込んでいたのですが全作品を読むと近い将来なんてもんじゃなく今この瞬間にミサイルが打ち上げられていてもおかしくない、突然やってくるものなんだと再認識しました。私的には手塚先生の作品が1番衝撃でした。2015/07/26
fu
18
豪華な顔ぶれで面白くないわけがない。水木しげるのラバウルの話は、自身の経験に基づいているからなのかリアルで作品の勢いに圧倒される。藤子・F・不二雄が描く戦争はどこかSFっぽいが、ミートキューブが印象的。藤子「ある日」と石ノ森「そして・・だれもいなくなった」はオチが同じ。石ノ森作品・小松左京原作の「くだんのはは」は芦屋が舞台で、業を扱った不思議な作品。人の恨みは怖い。2015/11/21
なないろ花色(はないろ)世界はひとつ
15
図書館本。手塚治虫さんの「リボンの騎士」のサファイア王女が記憶中で初めて「大好き!」になったイラストです。・・図書館の書架にたまたま、この鮮烈なタイトルと、手塚先生と藤子F不二雄先生の名前を発見し、借りました。・・この本の中では、手塚作品はブラック・ジャックの1編と藤子F作品ぜんぶ(何度読み返しても味のある藤子FさんのSF作品群、好きです)を読んだ事があるのみ、でした。しかし、全作品が素晴らしかったです。水木しげる先生と石ノ森章太郎先生の作品も、素晴らしかったです。どれも深く考えさせられる良作ぞろいです。