出版社内容情報
何千年に一度の天才児「悪魔くん」こと松下一郎少年が、人類が平等に幸せな生活ができる理想社会『千年王国』の樹立を目指して現代社会に戦いを挑む、著者の貸本時代を代表する傑作。「努力しても報われない」不遇さへの著者の憤怒が爆発した異色作で、格差が広がる現代社会の希望の書でもあります。全体に漂う巧まざるユーモアも飄逸。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
81
売上不振のため3巻で終わらざるを得なかったそうだ。当初は5巻を予定していたらしく、広げた風呂敷をたたみきれないうちに悪魔くんも死んでしまう。呼び出された悪魔も、いいキャラクターなのだが、活躍しきれていない。全体にはいい味を出している作品だけに、ちょっと残念だ。「悪魔くんは7年目には必ず蘇る」というラストのセリフより早く、形を変えて「少年マガジン」で蘇ることになる。2022/10/12
秋津
6
千年王国と読み比べながら読了。キリヒトくんの役割が貸本版の方が大きい。そして貸本版の悪魔…面白い。 絵はやはり千年王国の緻密さがすごいと思ってしまうけど、この貸本版も荒いタッチで面白い。 ラストは、貸本版の方が好き。2019/12/12
ツキノ
0
終わり方の説明を読者のおたよりコーナーでしているのだけれど「ゲゲゲの女房」をみたあとでは、そうか・・・と。しかし、本格派のよくできた話なのだ。2010/11/05