感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
detu
21
過去、詩集歌集は読みきったことがない。『六六魚』りくりくぎょ。鯉の異称だとか。作品は森羅万象、日常、交友、社会情勢と多岐にわたるもその視点というか、目の付け所が面白い。年齢的にも近いのだろう。初めて読みきった歌集。たくさんお気に入りはありましたが、敢えてこれを“しみじみと長寿時代のわれら聴く「命短し恋せよ乙女」”2019/08/31
おはぎ
8
時事や家族にまつわる歌が多い印象だった。文語でかっちりしていると思いきや、積極的にオノマトペを使っていたり、ユーモアも効いていたりして読みやすい。母であり、祖母であり、娘であるというのは不思議なことだなあとしみじみ感じた。「『昔は』と言ふたびわれを戒むる娘はむかしわれが産みたり」「本能のこゑ湧きに湧き赤子泣くどこかわからぬこの世蹴りつつ」2022/11/03
あや
5
紫陽花を詠んだ歌が美しい。2018/12/09
ヒメヒメ
0
○2022/04/03
oraisony
0
twitterの小島ゆかりbotで見かける歌より少し不穏な感じがした。以下、好きな歌。旅のはじめは旅のをわりに似てさびし足元に紺のトランクを置く/椿見れば椿に見られわれに棲む死者もつぎつぎ眼をひらくなり/思ひ出を点検すれば椋鳥よ父はあんぐわい弱虫だった/地下鉄の夜の車窓にならぶ顔 むかし海から来たわたしたち/赤子まだ知らずこの世の底知れぬ泥のけむりに棲む六六魚/枯蟷螂つちに下ろしてポケットに古地図のやうなてのひらしまふ/帰る人帰らない人帰れない人どの人も六年老いて/2020/09/01