内容説明
1810年、イングランド。ホリンドレイク公爵のもとに届いたのは、跡つぎのスタンドン卿との結婚を切望する、男爵令嬢フェリシティからの手紙だった。手紙を読んだ老公爵は、放浪中の孫のスタンドンの卿のふりをして、フェリシティと文通を始める。―3年後、第十代ホリンドレイン公爵となったはずのスタンドン卿からの便りが途絶え、不安になったフェリシティは、双子の妹タリーと従姉妹ピピンを連れてロンドンにやってきた。いっぽう爵位を継ぐために12年ぶりに戻ったスタンドンは、祖父が勝手に決めたフィアンセの存在に驚き、謝罪して婚約をなかったことにしようと、フェリシティのもとを訪ねる。およそ公爵らしからぬ軍隊帰りのくたびれた姿で…。―通称ダッチェス(公爵夫人)ことフェリシティは、はたして本物の公爵夫人になれるの―。
著者等紹介
ボイル,エリザベス[ボイル,エリザベス][Boyle,Elizabeth]
1996年にデビューして以来、世界中のロマンス小説ファンに「ページターナー」と評されている。Brazen Angelはアメリカロマンス作家協会(RWA)が授与するRITA賞の1998年ベストファーストブック賞に輝いている
寺尾まち子[テラオマチコ]
英米文学翻訳家。横浜生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
26
続き物の三作目から読んでしまいました…。オトンは生死不明の外交官、お金はあっても弁護士の財布のひもは固く、極貧生活を送る娘さん達の生活に、歯ぎしり。男性の特権を皮肉たっぷりに表現する女子にうなずきましたよ、ええ!とにかく出てくる女子みんな生きが良くって楽しかった!男子はちょっと影が薄かったかもよ~。2021/03/25
ぽこ
6
フェリシティは他人の恋愛にはいろいろと画策するくせに、自分の恋には臆病者でした。優秀で自信たっぷりな女性が、おろおろとたよりなげになっていく姿が面白いです。最後まで身分を明かさないなんて、ヒーローはちょっと意地悪で融通がきかない男ですね。サラブラウンをうまく利用すると作品としてもっと面白くなったのになぁ。2014/09/07
MOMO
5
ダッチェスよ!ダッチェスだわ!!ダッチェスなのよーーーー!!ってなノリで読み始めたけど、やっぱり素敵よ、フェリシティちゃん!!あぁ、読んでて楽しかったわ・・・しこたま笑えたし・・・なんせ、弁護士が渋ってお金をくれなければ、勝手にロンドンで住むところを調達し、婚約をなかったことにしようと尋ねてきたサッチャー君を魅了して、なぜか従僕として雇い、石炭が切れそうになると、やはり自力で石炭を調達するフェリシティちゃんなんだもの・・・2010/02/11
hotmilk
4
男爵令嬢フェリシティとホリンドレイク公爵(サッチャー)のお話。無理な設定だし、期待してなかったけど予想外に面白かったー!始めは、ヒロインが公爵夫人になるために自分から結婚を提案するところとか、積極的過ぎて好きになれなかったけど、少しずつ事情が明らかになるにつれて好感が持てるようになった。何気ない二人の触れ合いにキュンキュンだったし、「行方知れずの公爵」を皆が演じたところとかは笑っちゃった!一気読みだった!★42014/01/03
ネフェルティア
4
前作を読んでないけど、面白かった。外国育ちでお金に困っているせいかフェリシティが普通の男爵令嬢と違ってたし、それが魅力的だった。サッチャーがフェリシティにオロオロしたりして笑えた。レディ・チャールズ達が「行方知れずの公爵」のラストの場面を演じたのもすごく良かったし、そこに遭遇したジャックの恐怖の叫びのひとことがすごくおかしかった。ピピンと海賊のその後を読みたいと思った。2011/05/04