内容説明
たいへん、たいへん!チンチラカがつぼをぬすみにきたわ!山々にかこまれた自然豊かなジョージアに伝わるダイナミックなむかしばなし。
著者等紹介
片山ふえ[カタヤマフエ]
大阪外国語大学ロシア語科卒業。ムーザ文化交流協会を主宰し、旧ソ連諸国との草の根文化イベントのコーディネータを務める
スズキコージ[スズキコージ]
絵本、絵画制作、ライヴペインティングなど多岐にわたり活動。『エンソくんきしゃにのる』(福音館書店)で小学館絵画賞、『ブラッキンダー』(イースト・プレス)で日本絵本賞大賞など数々の賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
81
2015年までグルジアであったが、現在ジョージアと呼ばれるようになった国の昔話。山国ならではの物語。魔の山に住む山男は、自然の恐怖で、山と王様の国の間にかかる川の上の橋は自然と人間社会との境界なのではないでしょうか?チンチラカは「トンチのきく若者」で、大男は「デフ」と呼ばれ、ジョージアの昔話に出てくるキャラだそうです。ジョージア語からロシア語に訳したものを日本語に訳出ししました。黄金のつぼも黄金のパリドュリも手に入れて、欲張りの王さまは自制がきかなくなったのでしょう。昔も今も人に変わりはないのでしょうね。2021/05/08
みつばちい
36
末っ子と寝る時に読んだ。三兄弟の末っ子で知恵者のチンチラカが、王様のもとで働き、山の上の大男の宝を奪ってくるよう命じられ、、3回も見事やってのけるところや、橋のこちら側と向こう側で大男とチンチラカが軽口叩くのはかしこいモリーみたいだった。が、驚いたのはその先。王や兵隊は大男に食べられてしまうところに、末っ子は「えっ!」と驚いて兵隊を気の毒がっていた。スズキコージさんの絵が迫力がすごい。2022/02/18
おはなし会 芽ぶっく
24
ジョージアの昔話。外国の民話の兄弟は、たいがい末っ子がかしこいですね。おはなしの主人公チンチラカも3人兄弟の末っ子。知恵を使って大男をやっつけます。大男も2度あるコトは3度ある、で今度こそだまされないぞ!と頑張りますが、チンチラカが1枚上でした。世界のむかしばなし絵本シリーズ第2期の1冊。2020/01/29
ナハチガル
17
昔話としては良くも悪くもなく、とくにグルジアならではのものは感じられなかったが、とにかくスズキコージさんの絵が強烈で、スズキコージさんの手にかかると、なんでもスズキコージさんの創作絵本のようになってしまうのはいいのか悪いのか。完全にグルジアを食っちゃってる感じだった。B。2021/05/27
うとうと
15
ジョージア(グルジア)の昔話。貧しい三人兄弟の末っ子、知恵の回るチンチラカは王様に雇われる。王様はチンチラカに、魔の山に住む恐ろしい大男の宝物を盗んでくるように言う。チンチラカが機転を利かせて次々に持ち帰ると、今度は大男を捕まえてくるようにと。。/欲張りな王様と間抜けな大男。ラストにはびっくり。 スズキコージさんの絵のインパクトがすごい。王様とチンチラカが話す場面、チンチラカが大男の部屋に潜んでいる場面、どちらも両方の顔が見える構図になっていて面白い! 2021/08/23