内容説明
ライオンにもタカにもアリにも変身できる―ふしぎな力をもらった男の子はさっそくタカになりたいとのぞんでみました。とたんに男の子はタカのすがたに変わり…雄大な自然をいだくノルウェーに伝わる摩訶不思議なむかしばなし。
著者等紹介
菱木晃子[ヒシキアキラコ]
北欧の児童書を中心に翻訳を手がける
MARUU[MARUU]
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、University of the Arts London Camberwell College of Artsにてイラストを学ぶ。装画、挿絵、絵本、漫画など、幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
85
ノルウエーのむかしばなし。世界のむかしばなし絵本シリーズ第2期の第1弾。このシリーズは「梨の子ペリーナ」や「ノロウェイの黒牛」などどれも絵が繊細で素晴らしい。この本ではMARUUが絵を担当。明るい色調の細密に描き込まれた背景に、ダイナミックな生き物の姿が映えて見えます。男の子がライオン、タカ、アリに変身して、ちょっとユーモラスな9つ頭のトロルをやっつけて、お姫さまを救う話です。北欧神話では、この世に9つの世界があると思われていたそうです。9つの頭をもつ竜も、9つ頭のトロルも、その影響があるのでしょう。2021/04/23
ルピナスさん
61
【11月24日午後休を利用して念願の国際子ども図書館へ!】8冊目。色鉛筆画が美しいノルウェーの昔話。二人の中学生姉・弟の母親として、女だから男だからという発言をしないように日頃気を付けている身として、お姫様が若者に助けられる展開にちょっと敏感になってしまう。いえいえ、若者は困っている存在を助けようとしただけ。落ち着いて。ライオンとタカとアリに変身できる魔法、どういう組み合わせ?と思うけど、ノルウェーらしいトロル退治と混ざりあってとっても微笑ましい展開に。昔話は各地の色が出て本当に面白いです。2022/11/24
☆よいこ
52
ノルウェーの昔ばなし。貧しい男の子が困ってるものを助け、魔法の力を授かる。変身能力を使って龍とトロルを倒しお姫様を救う物語。ハピエン。安心して読める可愛らしいイラスト。2020/01/20
みつばちい
34
とにかく絵が美しい!この昔話シリーズは絵がいいものが多い。最初にタカとありとライオンに一塊の肉をうまく分けてあげたお礼にそれぞれに好きな時に変身できるようになるのだが、その肉の分け方が好き。賢い男の子だというのがそれだけでわかる。子どもに読んであげたい。2020/07/06
なつきネコ
28
絵と不可思議な冒険譚の世界があわさり、とても飲み込まれるファンタジー世界になっていた。変身能力で果敢に困難に挑む少年の冒険譚は王道のファンタジー。化け物に連れ去られるお姫様の悲しみに同情できる少年の優しさ。果敢に竜に挑む勇気。アトガキを読むとこの話はノルウェーらしさが詰まった話だったことがよくわかる。最初の分配と採決を託される事も王様の証。果敢な勇気と人に同情できる優しさ。目的のためならどこまでも行動できる器量。これが、ノルウェーの人が考えた王様だということがわかる。2022/08/28