内容説明
森にすむクマ夫婦に、まちのぞんでいたあかちゃんがやってきました。そのあかちゃんは…なんと、さかな!クマがさかなをこどもにするなんて!と、森の動物たちはおどろきますが…。AHDS(アラン・ハーンドン・ダドリー症候群)という、先天性の脳の難病をかかえた子どもと、その両親がモデルになった絵本。だれもが大切にされ、共に生きることへの願いがこめられています。
著者等紹介
ザノッティ,コゼッタ[ザノッティ,コゼッタ] [Zanotti,Cosetta]
イタリア北部在住の児童文学作家。作品のいくつかはスペインやポルトガル、中国などさまざまな言語に翻訳出版されている。また、学校や図書館、書店などで親と子、教師に向けた読み聞かせなどの活動をしている
スクデーリ,ルチア[スクデーリ,ルチア] [Scuderi,Lucia]
イタリア南部シチリア島在住のイラストレーター。絵本作家。いくつかの作品は、フランスやスイス、中国などでも翻訳出版されている。2013年、国内で最も優れたイラストレーターに授与されるイタリア・アンデルセン賞を受賞
佐藤まどか[サトウマドカ]
イタリア在住。2005年初めて書いた童話『水色の足ひれ』(BL出版)で第22回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
anne@灯れ松明の火
33
遠い方の新着棚で。森のくまさん夫婦のところに、待望の赤ちゃんがやってきた! でも、その赤ちゃんは何と……だった! 意外な展開の連続に驚きながらも、優しい絵と優しい話に温かい気持ちになる。さらに、あとがきで、作品の背景に驚かされるが、まずは純粋に物語を楽しんでみて。2020/01/12
ヒラP@ehon.gohon
20
養子縁組みした赤ちゃんが難病だったという夫婦がモデルと知り、さかなに象徴された重さについて、改めて感じ直しました。 生まれた子どもが障害を持っていたら、親は愛情と苦しみの板挟みに始終することを実感していますが、このお話は養子縁組みした赤ちゃんです。 重いテーマなのですが、くまさんたちが、さかなちゃんの世界に入っていこうとすることに感動を覚えました。 理解し共に生きるという決意なくしては有り得ない光景です。 しかも森の動物たちも水に入っていこうとするのは、祈りに似た意思表示に思えました。 2019/10/09
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
小学校高学年おはなし会。『どーなつのあなのはなし 廣済堂あかつき』も用意し、「この2冊の絵本には共通点がありますよ。なにかわかるかな?答えは読み終わってから。」とスタート。クマのご夫婦のところにやってきたのは、さかなの赤ちゃんでした。時間の関係で全て読めませんでした。ちなみに答えは『あとがき』、ジョルジョ・ロージア夫妻にやってきた赤ちゃんはAHDSの男の子。『あとがき』を読んでそういうことだったんだと分かる絵本です。。児童書や小説を読むようになった高学年には、しっかり『あとがき』まで読んで欲しいです。2019/08/27
猿田彦
13
生後26日目で養子縁組した子どもが世界に200人と言われる脳の難病AHDSにかかっていたとわかった時、親のあなたはどうする?その答えを潜ませたお話。満月🌕️が美しい夜に熊の夫婦のところにやって来た赤ちゃんはなんと魚。森の仲間は口々にいろんなことを言ったけど夫婦は子どものヒレヒレをたいそう可愛がった。赤ちゃんが魚なら親の私たちは水辺に住んで話したい時に潜ればいいんだと気付きます。驚く発想でしたが、読み込むうちに子どもの側の世界に立った夫婦に拍手を送っていました。温かな気持ちになれる1冊。2024/12/19
遠い日
11
縁あって出会った子どもと同じ地平に立とうとするクマの両親。価値観はひとつではないということを、やさしく説くお話。周りの理解が進んだことがわかるラストもすてき。2019/11/15