出版社内容情報
ウィスキー、ワイン、泡盛……酒をめぐる男たちの人生の刹那を描く傑作短編集。『マティーニに懺悔を』を原題に戻して刊行。
内容説明
恋人と婚約したばかりの女性が自殺未遂をした。真相を追う神父が何者かに襲われるが…(「怒りのアイリッシュウイスキー」)。茶道の師範である「私」が通うカウンター・バー。この界隈で起きる事件と人間模様の行方を追う、切れ味と芳醇さを兼ね備えた連作ミステリー!著者の作家生活40周年を記念し『マティーニに懴悔を』を原題に戻して刊行。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年にデビュー。警察小説の人気シリーズを数多く手がける。99年より空手道今野塾を主宰、臨場感溢れる武道小説にも定評がある。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
81
今野氏のハードボイルド法則を守った連作短編集、そんな感じがして好きな作品。マティーニに懺悔を、を改題。当方初読み。男はいつも覚悟をして一言を喋らねばなりません、というバーの世界から、色気ある菫子に、女はいつも、もう一つの夢を持っているのよ、と語らせる。或る意味、昭和のハードボイルドなのかな?久しぶりにこういう昭和の和製ハードボイルドの世界に酔わされた。好きだったなぁ、こういう世界観。89年出版の作品だから、続編はないのでしょうが…2018/08/05
くろにゃんこ
46
連作短編ですが・・・茶人でありながらとてつもなく強い、それを隠してはいるが不自然なほど狙われたりトラブルがあり、武力で解決などツッコミどころ満載ですが、1989年に刊行だから仕方ないのかな(-_-;)ラストがまた唐突(笑)2018/11/29
のんちゃん
44
茶道の師範である「私」は実は実家の武道の奥義を極める達人。なじみのバーに夜な夜な持ち込まれる厄介事を、その武術力をもって解決するハードボイルド小説。警察小説で人気を博す今野氏のもう一つのお得意の武道小説でもある。今野作品は初読みだがとても読みやすかった。ただなんだろう?随分以前の作品の復刻だからか、女性の描き方が男性作家さんだなぁと思わせる感じで、そこがちょっと違和感があった。が、お話自体は面白く勧善懲悪で娯楽時代劇の現代版の様に感じた。2022/06/14
おれんじぺこ♪(16年生)
33
おーもーしろーい(笑)。「マティーニに懺悔を」を改題して発行されたようですが、未読だったよう。茶道家元が実は武道にも長けていて、アイルランド人の神父さま(これまた最強)とバッタバッタとやっつける痛快な連作短編集。ハードボイルドのようで、そうでもない?賛否両論のようですが、私は楽しめた。2019/02/14
ベローチェのひととき
23
妻から廻ってきた本。8編からなる連作短編集。1989年頃に刊行された短編集の復刻本。全体の雰囲気や登場してくる男性・女性の考え方がいかにも昭和という感じがした。主人公は茶道の師範であるが、実は武道の達人でもある。各編に戦闘のシーンが出てくるのがハラハラドキドキして楽しめた。イタリアのマフィアまでが登場してきて面白かった。2022/07/01