出版社内容情報
後悔なく生きるのは
宇宙に行くより難しい――。
「コロンビア号事件」「仲間の死」「自己否定」
「他人と比べてしまう苦しみ」
宇宙飛行士、野口聡一が苦しみから
再出発し、たどり着いた
「自分らしく生きること」の本質とは。
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宇宙から帰還後、僕は約10年にわたり
つらく苦しい日々を送っていました。
人と比べて自分を責める。
落ち込み、やる気が出ず、昼夜逆転。
自分の生きる方向を見失い、人生は宙ぶらりんに。
宇宙での輝かしい体験からの落差もありました。
その長くつらい時間の中で、僕はあることに気がつきました。
人が幸せに生きていくためには
●自分の価値を他者に決めさせないこと
●自分1人でアイデンティティを築けること
が大切ではないかということです。
この本を通じて、
「どうすれば、誰もが自分らしく生きていけるのか」
その答えを皆さんと一緒に探したいと思います。(書籍より)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
breguet4194q
141
宇宙飛行士の著者でさえ、メンタルが落ち、しかも回復に10年かかったという。スーパーエリートしかなれない職業だからこそ、信じられない話です。所詮、宇宙飛行士だって人間なんだと言えばそれまでですが、一般人にも当てはまる内容だから驚いてしまう。帯に「後悔なく生きるのは宇宙に行くより難しい」とあるが、経験したことからの本音だろう。自分らしく生きることの大切さ、難しさ。最終目標の「幸せ」になる為に、どのように生きるか。勉強になりました。2023/11/25
mukimi
131
自信満々で爽やかなイメージの野口聡一さん。「世間の求める宇宙飛行士像を演じていた」「もともと悲観的で悩みやすい」「目標だった宇宙飛行を終え燃え尽きた」という告白に衝撃を受けた。自らの弱さを曝け出す告白は、命懸けで成し遂げた超人的偉業に並ぶ勇気のいる仕事だったのではないか。神格化された英雄でいることもできたのに私達の目線まで降りて本音を語ってくれた。それは彼の冒険の数々よりも私を勇気づけてくれた。自分の心の声を聞き自ら人生をコントロールできているかという目線で生活を見直したい。夏休みは自分の棚卸ししよ。2024/08/12
nonpono
51
いつもにこにこして質問にも明瞭に答え野口さんが2回目の宇宙からの10年間、燃え尽きて引きこもっていた時間があったなんて、びっくりした。宇宙飛行士なんて本当に選ばれた肉体的精神的知的エリートだと思っていた。そして常に命を意識し、間違えばペナルティとしての死が待つ日常もきついな。「追いかけるニンジンは自分で作る」というのは良い言葉である。自分で目標を設定するからこそ責任が生まれるかな。野口さんが影響を受けたカーリングの本橋麻里の「夢をいつ叶えるか、その順番は自分で決める。」と、結婚や出産も推奨する言葉も素敵。2025/04/01
ta_chanko
30
常に他者(学校や会社など)からの評価を基準にして生活をしたり目標を立てたりしてしまいがちだが、それよりも自分軸で何事も考え、判断して行動することが大切である。それは社会的評価が高い宇宙飛行士にしても同様。そうしないと燃え尽き症候群になったり、仕事に意味を見出せなくなることも。自分自身を深く内省し、自分はどういう人間なのか、本当にやりたいことは何なのかを探り出し、そのうえで自分の人生や仕事に意味づけをする。それ(使命)が見つかれば、人生に迷うことはない。2024/03/26
ceskepivo
28
2回目のミッションのあと、とても大きな苦しみを抱えた著者。「自分はもう必要とされていない」「自分は価値はない」と。10年間の苦しみからの気づきを本書に著している。とても率直で分かりやすく書かれており、あらゆる世代へのメッセージになるだろう。自分の奥底にあるものを評価軸として、人生に意味づけをするのだ。2024/08/04
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