出版社内容情報
後悔なく生きるのは
宇宙に行くより難しい――。
「コロンビア号事件」「仲間の死」「自己否定」
「他人と比べてしまう苦しみ」
宇宙飛行士、野口聡一が苦しみから
再出発し、たどり着いた
「自分らしく生きること」の本質とは。
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宇宙から帰還後、僕は約10年にわたり
つらく苦しい日々を送っていました。
人と比べて自分を責める。
落ち込み、やる気が出ず、昼夜逆転。
自分の生きる方向を見失い、人生は宙ぶらりんに。
宇宙での輝かしい体験からの落差もありました。
その長くつらい時間の中で、僕はあることに気がつきました。
人が幸せに生きていくためには
●自分の価値を他者に決めさせないこと
●自分1人でアイデンティティを築けること
が大切ではないかということです。
この本を通じて、
「どうすれば、誰もが自分らしく生きていけるのか」
その答えを皆さんと一緒に探したいと思います。(書籍より)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
breguet4194q
131
宇宙飛行士の著者でさえ、メンタルが落ち、しかも回復に10年かかったという。スーパーエリートしかなれない職業だからこそ、信じられない話です。所詮、宇宙飛行士だって人間なんだと言えばそれまでですが、一般人にも当てはまる内容だから驚いてしまう。帯に「後悔なく生きるのは宇宙に行くより難しい」とあるが、経験したことからの本音だろう。自分らしく生きることの大切さ、難しさ。最終目標の「幸せ」になる為に、どのように生きるか。勉強になりました。2023/11/25
ta_chanko
28
常に他者(学校や会社など)からの評価を基準にして生活をしたり目標を立てたりしてしまいがちだが、それよりも自分軸で何事も考え、判断して行動することが大切である。それは社会的評価が高い宇宙飛行士にしても同様。そうしないと燃え尽き症候群になったり、仕事に意味を見出せなくなることも。自分自身を深く内省し、自分はどういう人間なのか、本当にやりたいことは何なのかを探り出し、そのうえで自分の人生や仕事に意味づけをする。それ(使命)が見つかれば、人生に迷うことはない。2024/03/26
ただぞぅ
11
無音の空間が広がる世界。漆黒の闇が永遠に続く空間で地球だけが煌々と輝き圧倒的な命の存在感を放つ。地球にいるときは想像もしない未知な経験を味わった宇宙飛行士の野口さん。だが二度の生還を遂げた後、全身全霊をかけて立ち向かっていたものが消えたことで燃え尽き症候群に陥る。燃え尽きた先でどうするか?「人生には必ず寄るべなく生きなければならないときが訪れる」と警鐘している。長年勤めた会社から離れた時、存在意義を疑い喪失感に苛まれる人は多い。だからこそ他者からの承認や価値に頼らずどう生きるか早い段階で見出すことが大切。2023/12/19
ざっく
10
タイトル的に、宇宙に行く前の話かと思ったら、宇宙に行った後の話でした。目標を達成した先には何もない、と言える立場でもないが、宇宙へ行った人でさえそう思うんだなと。よく言われることだが、目標に向かう過程を楽しむことが大事なのだろう。最近は、目標があることが幸せだと思っている。自分がやりたいことの実感を持てないまま人生が終わっていくような気がするが、会社はそういう人にも目標を与えてくれる場所だとも言える。自分にしかできないことを探すより、自分が幸せだと思えることを探さなければ。2024/03/19
まめた
10
自分軸で…という考え方が定着してきた昨今ですが、若者にむけてでなく、40代50代が自分のこととして考えられる内容で良かったです。野口さん自らが経験し実感したことに基づいているので、読み手にストレートに伝わるように感じました。2024/01/30