内容説明
古来より、医療とともに魔術と深い関係があるとされ、さまざまな人々を魅了してきた薬―。伝説の媚薬から権力争いに使用された毒まで、古今東西の歴史・伝承には、さまざまな薬が登場する。本書ではその中から45余の“魔法の薬”を取り上げ、使用された背景や効果などを詳しく紹介する。
目次
第1部 毒・医薬(カンタレラ;砒素;石見銀山鼠取り;マハーラージャの贈り物 ほか)
第2部 媚薬・秘薬(ゾンビーパウダー;ミイラ;魔女の軟膏;イモリの黒焼き ほか)
著者等紹介
秦野啓[シンノケイ]
1972年生まれ、北海道出身。電子系専門学校中退後、数年のブランクを経て執筆活動を開始。その他ゲーム制作に関わる
司馬炳介[シバヘイスケ]
1964年生まれ、東京都出身。フリーライター。主な活動ジャンルは神話とファンタジー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びっぐすとん
17
図書館本。TRUTH IN FANTASYシリーズ。毒となるか薬となるかは紙一重。古来権謀術数の陰には毒薬あり。眉唾モノのエセ薬から暗殺に使われてきた毒薬、藁にもすがる思いの万能薬、現代でも深刻な麻薬、ファンタジーに欠かせないアイテムまで、内容ぎっしりで面白い。プラセボではないが薬を飲んだ途端、効いた気がするのも確か、人間は薬好きだな。媚薬のページは特にそう思う。手軽に他力本願だよね。トリスタン・イズーやロミオとジュリエットみたいに薬による悲恋もあるけど。ガマの油、イモリの黒焼きなんかも載ってて笑える。2021/04/03
竜王五代の人
3
いわゆる麻薬のたぐいは著者のうち司馬が担当、大麻や生アヘンは、酒やタバコと比べても決して害があるわけではないんだ、と妙に推す感じが気になる。合成麻薬の強烈な効果や毒性にも詳しい。ガマの油・イモリの黒焼き・シンデレラの毒リンゴといった、確かに聞いたことあるけどあれなんだろう? といったたぐいが立項してあるのは面白い。2025/02/11
田中
1
実在する薬から伝説の薬まで、創作畑の人間にはネタになりそうな素材がこれでもかと詰まっている。なにより特筆すべきは麻薬の項で、作者自身中毒ではないかと疑われるような記述が随所に見られる。資料としてではなく読むだけでも十分楽しめる一冊だった。
ひつじ
1
小学校高学年の時分に見つけてずいぶんとはまった一冊。 図書館で呪術とか都市伝説とかそんな怪しげな本をまとめた棚においてあり、物語に出てくる不思議な薬でも出てくるのかと思い借りたのですが、まぁ見当違い。 実際は魔法の薬はほんのちょっとで戦争に使われた毒ガスですとか正露丸ですとかまぁ夢のない薬達が山と載っていました。 当時、妹と「魔女の軟膏ってアヘンとかが主原料なんだって」なんて話をしていて父に叱られたのが想い出です。
宵子
1
毒or医療薬(割りと実在した)秘薬or媚薬(実在したか怪しい。もしくは薬としての効果かあるのか)で、分けられている。前者にはトリカブトや砒素、コカイン。何故かハーブやお香なども含まれる。後者はゾンビパウダーやエリクサー、何故かチョコレートやコーヒーについて書かれている。お香やチョコを薬としてみるのは、面白いけど、これらを毒医薬、秘薬で分けた境見が気になった。