出版社内容情報
コスミック時代文庫
内容説明
つらい仕事をぼやき、ため息混じりにとぼとぼと街を歩く北町奉行所の同心、亀無剣之介。冴えない風貌で周囲にはもちろんのこと、ときには事件の下手人からも軽んじられるが、なにを隠そうこの男、とんでもなく頭がよく、しかも執念深く悪を追いつめるという、天性の捕方同心とでも呼ぶべき男なのであった。今回、剣之介と相対するのは、腕のよい鏡職人、人気の町火消し、まじめな蕎麦屋。それぞれ完全犯罪となりえる完璧な犯行であったが、それらを超越する剣之介の頭脳が、犯人たちの計画をこなごなに砕いていく。しかもその果てには、剣之介と因縁深い男との思わぬ決闘が待っていたのだが…。傑作シリーズ、待望の新作!
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。93年『黒牛と妖怪』で第十七回歴史文学賞を受賞。時代・歴史・ミステリなど、多岐の分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
46
シリーズとしては7作目だが、微妙に剣之助のキャラが変わった気が。いつものように愚痴を言いながらも、後輩を捜査させるなど自分で動くのが面倒くさいかのように。ただ事件の犯人のこととなると目つきは変わる。そこに加えて犯人側の後悔も最後にある。ところで大高との決戦のあっさりな終わり方はどうしたものか。 次巻に繋ぐためではあるのだが、剣之助の話はやはり事件を解決してこそが楽しいのであり、サイドストーリーはあくまで寄せものという感じか。 ところで今作から表紙の画が変わったが、剣之助はもっと容姿が崩れているけどね(笑)2025/02/15
雅
43
こんな感じだったかな?と思いながら読了。2025/04/04
ひさか
15
2024年9月コスミック時代文庫刊。シリーズ7作目。鏡のなかの死、め組の死人、呪われた風呂、の3つの連作短編。表紙裏の「待望の新作」に煽られて、つい手にとってしまったが、もう読まないと決めていたシリーズだった。倒叙モノの時代劇版コロンボで、しかも工夫が少なくあまり面白くないという風野さんらしくないのが残念。2024/12/31
ルルら~ら
3
今回も飄々とした剣之介がただの事故と見過ごされてしまう事件を地道な捜査で解決していく。お隣の志保さんとついに結ばれるかと思ったら最後の最後に暗雲立ちこめるまさかの展開となり驚いた。2025/02/25
おちょこ
3
大好きなシリーズでしたが…この巻では剣之介のキャラが微妙に変わってしまったような気がします。仕方ないなぁとぼやきながらも、にじみ出る人の良さが、八丁堀のコロンボのようだったのに、後輩同心への態度や言葉など、いろんな所に…えっ?こんな感じだったっけ?と違和感が。大高との決着もあまりに唐突で、スッキリせずもやもや。事件も都合よく証拠が見つかったりと…今回は、残念でした。
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