出版社内容情報
海を臨む片田舎。京子は映画制作という職を失い、その憎しみの故郷に帰ってきた。
シングルマザー、主婦、サブカル女etc.……町に暮らす女たちは、様々な男と交わり、
田舎の人間関係は地獄の様相を見せる。京子は這い出ることができるのか?
性と生とめぐる壮大な人間ドラマを描いた傑作長編。
内容説明
海を臨む片田舎。京子は映画制作という職を失い、その憎しみの故郷に帰ってきた。シングルマザー、主婦、サブカル女etc.…町に暮らす女たちは、様々な男と交わり、田舎の人間関係は地獄の様相を見せる。京子は這い出ることができるのか?性と生をめぐる壮大な人間ドラマを描いた傑作長編。
著者等紹介
花房観音[ハナブサカンノン]
1971年、兵庫県生まれ。京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、バスガイドを務めるかたわら小説を執筆。2010年、『花祀り』で団鬼六賞大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜もち 太郎
15
素晴らしかった。もっと評価されてもいい作家だと思う。主人公の京子は東京から映画の仕事を捨て、逃げるように実家のある田舎に舞い戻る。土地名は出ていないが、京都から2時間電車に乗り海のある街らしい。田舎の閉塞感、筒抜けの噂話、嫌で仕方がない毎日。「わたつみ」とは京子が務めるかまぼこ製造の会社の名前だ。そこに勤務する人間たちの群像劇も横の広がりを見せており、京子の考え方に深い影響を与える。都会であろうが田舎であろうが人間の欲望は変わらない。男にしろ女にしろ「人は誰でも生きていくうえで、罪を背負っている」→2022/10/23
まめの助
5
★★★☆☆ある事件をきっかけに田舎に帰って来た女と、同じ職場の人たちのお話。罪を犯した罰を己に科す為嫌いな街へ戻って来た主人公。よく耳にする、田舎特有の密な人間関係や閉塞感が半端ない。そのせいか、自分にない物を手に入れる事に貪欲で人間味に溢れている。それが人間らしさで、可愛さなのだと思わせてくれるのが、さすが。皆何か背負いながら懸命に生きているから、あなたはひとりじゃないし、弱いけど強いのよ!と伝わって来る。2023/05/21
triple_port
3
北の桜木紫乃.南の花房観音と言いたくなる作品。桜木紫乃の作品で感じるジメとした湿気はないが、どことなく曇天の空を感じる。最後、主人公が自分の進む道を確信できたのは良かったと感じるし、良い余韻を残す終わり方!2023/09/25
boichi40
1
人の居場所はどうやって見つければいいんでしょう。今いる場所を居場所だと思えばいいんでしょうか。2025/06/11
-
- 和書
- 種をまく人