出版社内容情報
鎖国日本と南下するロシアの軋轢の果てに、嘉兵衛は遠くカムチャカに拉致された。が、彼はこの苦境の下で両国のための最善の道を見出した。感動の歴史巨篇完結
内容説明
ロシアは、その東部の寒冷地帯の運営を円滑にするために、日本に食糧の供給を求めた。が、幕府が交易を拒絶したことから、報復の連鎖反応が始まった。ロシア船が北方の日本の漁場を襲撃すれば、幕府も千島で測量中のロシア海軍少佐を捕縛する。商人にすぎない嘉兵衛の未来にも、両国の軋轢が次第に重くのしかかってくる…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
34
江戸時代、北辺の蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人となった高田屋嘉兵衛の物語。
KF
16
案外時間がかかってしまった。先日読んだ翔ぶが如くにも西郷が殆ど出てこない巻があったが、この五巻は高田屋嘉兵衛は殆ど登場しない。四巻までが淡路発、主として日本海周りの松前経由千島行きの「海道をゆく」だったがここは反対にバルト海発大西洋経由千島行きの「海道をゆく」。その地への興味がある人にはたまらない。2018/02/25
キリン
4
壮大なる脇道の5巻!だって主人公の嘉兵衛がほとんど出てこないんですもの!▼ いやー、読むの辛かったー。いっちょん面白くないっちゃけん。5巻の8割以上がロシアのお話し。 これまで1~4巻まででロシアを事情を散らばせて話構成すりゃいいのに!と思いながらやっとこ読了▼ レザノフとクルーゼンシュテルンは日本の鎖国を打ち破れず恥をかかされ、ゴローニンが2年間幽閉される▼ 他の人の感想を読んでも、「この巻はつまらん!」と。同感同感。6巻早く読み終わって、伊坂作品読みたい!★3.22020/07/31
keisuke
4
高田屋嘉兵衛というより主にロシア事情だったので、面白味はあまりなかったかな。2015/09/18
みーあ
0
★3.5 私は世界の歴史に興味がないということをしみじみ理解した。魅力的な人間の生き様は垂涎ものだが、その背景の歴史となるととんと興味がもてない。付箋個所はP27の間宮林蔵と嘉兵衛の人となりの描写、比較『林蔵はあくまでひとりきりの男であった。かれは自分一個ですべて完結していた。のち、稀代の地理的探検家として後世に知られるこの男は、測量も出来、政治情勢、風俗、民情を見る眼力もあり、観察した事柄を報告しうる文章力と画才をもっていた。どんな環境でも眠ることができたし、食べ物を自然の中から採集して飢えをしのぐ 』2019/07/28