内容説明
父の仇を討つため、娘だてらに無想一刀流の教えを乞いたいと一色道場にやってきた千鳥。武家の生まれとはいえ、千鳥は今は吉原遊廓の総元締め・庄司甚内の養女。廓の掟で十八になれば遊女として店に出なければならない千鳥にとって、限られた期間での修行だった。影すら捉えられない千鳥の仇だったが、一色又十郎が与力を務める火盗改め佐金吾組の失態から所在が知れる。取り逃がした盗賊一味が潜んでいたのは、もう一方の吉原元締め・三浦屋が仕切る千住の仮宅、そしてその用心棒を務めるのが千鳥の仇だったのだ。しかし吉原は治外法権、火盗とはいえ手出しはできない。賊を追い詰め、千鳥の仇討ちを成就させるべく、又十郎は吉原忘八衆を相手に奇策を弄した…。
著者等紹介
えとう乱星[エトウランセイ]
1949年熊本県生まれ。慶応大学通信科中退後、漫画同人誌を主宰。89年、『中風越後』で小説CLUB新人賞佳作を受賞し、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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