内容説明
深川海辺橋の袂、居酒屋源八を寄る辺とする風野三十郎は、用心棒稼業の浪々の身。ある日、借金の形に連れ去られた少女おみつを救うべく金貸しの元締・堅川の善右衛門に掛け合いに行った三十郎は、金の代わりに自分の腕を売るはめになった。標的は陸奥五本松藩の勘定方青山五郎兵衛。青山は公金を使い込み、それを諌言した下役を斬殺した悪党だという。だがその依頼は善右衛門の仕掛けた罠だった。青山を殺し、はからずも闇の世界に取り込まれてしまった三十郎だったが、面従腹背、善右衛門を陥れるため身辺を探りはじめる。さらに源八に集う常客の一人、道具屋の清吉が火盗改メの密偵であり、清吉の狙う盗賊の背後に善右衛門が潜んでいることを知った三十郎は…。
著者等紹介
桑原譲太郎[クワハラジョウタロウ]
1986年『新宿純愛物語』で鮮烈にデビュー。同年、第二作の『ボクの彼女に手を出すな』とともに映画化され話題を呼ぶ。以後、精力的に執筆活動を展開。2006年、時代小説としては初の書下ろしである『華の騒乱』『花と剣』を上梓したのを皮切りに、精力的に時代長篇を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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