内容説明
「家治は余の真似をして、江戸の町に出るであろう」―八代将軍・吉宗は、孫の十代将軍の将来をこう予見していた。それには理由がある。家治は幼少より、吉宗から将軍になるための心構えを学び、ふだんの政や生活においては、その薫陶を忠実に守っていたのだ。果たして家治は、祖父の真骨頂であった町歩きを始める。やはり、予言は的中した。お供は、来たる日のために吉宗が育て上げた裏小姓・刈谷幻之丞。さらに、町方同心・坂本辰之介や煮売り屋・お光らとの交流を通じて、家治は民の目線で幕政を見直してゆく。大名、旗本、大店…どんな大物とて悪は許さぬ!吉宗直伝の正義の剣を振り下ろす、無敵の天下成敗組。その痛快この上ない活躍劇がいま、開幕する!!
著者等紹介
誉田龍一[ホンダリュウイチ]
1963年、大阪府生まれ。2006年、時代ミステリー『消えずの行灯』で、第28回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
18
この作者の魅力ともいえる軽妙な文章。十代将軍、徳川家治は御祖父様八代吉宗の活動を知って市中に繰り出す。世を騒がせる難事を解決していく様は痛快。既に故人だが存在感を放つ吉宗。彼が育てた裏小姓刈谷幻之丞。家治と幻之丞に振り回される坂本辰之介。何かと怪しい田沼意次。面白い人物たちが脇を固めつつ、吉宗を悩ませた江戸の問題に対処する。読みやすさは勿論。権力だけを頼りにしないやり方は好き。2018/06/14
空飛び猫
2
政治のための政治ではなく 民のための政治のあり方2019/07/18
いえのぶ
0
テレビドラマの暴れん坊将軍の小説版焼き直しって感じがする。2019/09/22