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文春学藝ライブラリー
特高 二・二六事件秘史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 207p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784168130397
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報

首相官邸が反乱軍により占拠! 小坂憲兵は女中部屋に逃げ込んだ岡田啓介首相を脱出させるべく機を狙った――緊迫の回想録。

反乱軍から首相を救った男の回想

首相官邸が反乱軍により占拠! 小坂憲兵は女中部屋に逃げ込んだ岡田啓介首相を脱出させるべく機を狙った――緊迫の回想録。

内容説明

「岡田総理は生きています!」陸軍青年将校らの決起による叛乱軍に占拠された官邸。「首相は殺害された」と騒然となる緊急事態の中、特高憲兵・小坂曹長は首相をつかみ、一か八かの救出作戦を実行する。昭和史最大の事件の知られざる実録。

目次

1 二・二六事件秘史―総理は生きていた(昭和の梶川与惣兵衛;事件の動機並びに概要;襲撃、占拠の計画;事件の勃発;岡田総理生存す;官邸への道;十月事件;首相官邸;首相官邸の襲撃;救出の計画;救出決行)
2 相沢事件(死刑執行前夜;永田軍務局長斬殺;相沢中佐の逮捕;訊問;相沢公判)

著者等紹介

小坂慶助[コサカケイスケ]
1900(明治33)年、東京生まれ。1922(大正11)年に憲兵拝命、翌年特高勤務。関東大震災直後の甘粕事件、虎の門大逆事件、浜口首相狙撃事件などにも関わった。1935(昭和10)年の永田鉄山斬殺事件(相沢事件)、翌年の二・二六事件では麹町憲兵分隊の曹長として活動。1942(昭和17)年、中支当陽憲兵分隊長。1946(昭和21)年、上海米軍軍事法廷で絞首刑を求刑されるが禁錮三年を言い渡され上海と巣鴨にて服役した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yamatoshiuruhashi

51
二・二六事件にあたって蹶起部隊は殺害したものと思い込んでいたが実は生存していた岡田総理を救出した当事者である憲兵曹長の記録。義弟の松尾大佐が身代わりを引き受け殺害されて、岡田総理は弔問客に紛れて脱出した。その事実だけは知っていたが、その救出劇を企画演出した当人の手記には緊迫感と当時の情勢がよく現れている。巻末、佐藤優による情報機関としての憲兵特高班の位置付けや本書の裏読みの仕方などを含む解説は短いながら秀逸である。2021/07/04

roatsu

17
敏腕の憲兵として昭和史の大事件と対峙した著者の手記。情報量は多いのに冗長さを排し要点を押えた筆致が素晴らしい。二・二六事件下、官邸から岡田総理を救出した決死行は下手な小説顔負けの緊迫感で手に汗握る。永田軍務局長斬殺実行犯の相沢中佐の聴取録と公判記録の原文は硬質だが必読の史料。憲兵といえど軍隊という官衙の勤め人でもあり当時の勤務風景や人間関係が伺えるのも本書の魅力。著者らが見せた時宜を得た果敢な独断専行や人の心情を熟知した要領のよい対処は、形式的で要領が悪くなる一方の現代人が真摯に顧みるべきスキルと思う。2015/10/22

中年サラリーマン

13
戦前の重大事件226事件。多くの重心が暗殺されたが運よく生き残った岡田総理を救い出した憲兵による手記。僕らの世代だと憲兵に関してはあまりよい情報を与えられて育っていないが本書を読むと著者が総理を救い出すのに、用心深さ、計画性、実行力、対人折衝力、思いの強さなど色々な能力を持っていることがこの短い文章から読み取ることができる。特高に対して新たな面から光をあてる書。2017/01/04

筑紫の國造

10
憲兵曹長として岡田総理救出作戦を決行した、小坂慶助の回想。併録は、永田鉄山を斬殺した、相沢三郎確保の模様を記す。スパイ映画のような作戦だが、これは実際にあった話で、読み物としてとても面白い。資料としても、憲兵の中に決起将校に通じている軍人がいることなど書かれており、なかなか貴重。上官の許可のないまま、機知と勇気で反乱軍の中心部に飛び込み、総理を脱出させた功績は、本来重く賞されるべきだろう。個人的には財閥の情報網が憲兵を遥かに上回っているというのが新しい発見だった。帯の「再発見」というのはちょっと「?」だが2019/01/13

クサバナリスト

9
物語として、とても緊張感、緊迫感をもって読める。岡田首相がころされなかったのは知っていたが、この救出劇は知らなかった。映画も観たくなった。2016/09/03

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