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内容説明
1939年から45年の間に出撃した820余隻乗組員39,000名のうち、718隻、32,000名が生還することなく終わったという、苛烈をきわめたUボート戦。《アリ》ことクレーマーは、Uボート・コマンダー(艦長)として出撃し、ある時は多大な功績をあげ、ある時は敵の爆撃・雷撃に苛まれながらも、必ず艦を無事帰投させる艦長として“生命保険”の異名をとる。本書はこの名艦長《アリ》が自らの貴重な証言と最新資料とをもとに、今日まで知られることのなかった新事実もまじえ潜水艦戦の真実の姿を鮮烈に再現した迫真のヒューマン・ドキメントである。
目次
第1章 Uボート戦の危険
第2章 ノルウェーへの侵攻
第3章 最初の指揮
第4章 U333の最初の獲物
第5章 アメリカとの交戦
第6章 タンカーとの衝突
第7章 燃えあがるフロリダ
第8章 船団への攻撃
第9章 奇妙なイギリス船水艦
第10章 大西洋放送
第11章 狩人が狩られる
第12章 フリゲート艦と衝突
第13章 フランスのレジスタンス
第14章 エレクトロUボートへの転任
第15章 新世代のUボート
第16章 最後の日々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
17
絶望的な世界を淡々とリアルに描いているのに、なぜか暗くありません。日本のこういう本が、どうしても暗い印象を与えるのと対称的。こんな時代もあったんだよ、忘れていいかもしれないが、この歴史を捨ててはいけないよ、とのちの時代に残してくれた記録ですね。 ──万民に読むことを勧められる本ではありません。しかし、頭に置いておく価値はある本だと思います、これは。2010/04/17
植田 和昭
14
主にドイツのU333での戦闘を扱った書。絶望的な状況の中で著者は、必死で戦う。アメリカ沿岸でのドラムビート作戦に始まり、大西洋の戦い、ノルマンデイでの戦いで艦はついに沈む。何回も危ない目に会いながらも、著者は新型Uボートの艦長として生き残る。連合軍の新型電波兵器により、常に爆雷やヘッジホッグによる攻撃を受ける。生き残れたのは、強運としか言いようがない。映画Uボートもすごかったが実際の戦闘は、筆舌に尽くしがたい。忘れてはならない記録としてぜひ読んでもらいたい本。 2024/10/11