内容説明
夜明け前の紅海洋上、海上自衛隊の大型ヘリ空母３隻から日の丸マークを消した１６機のヘリが飛び立った。目的地はサウジ王国・夏の離宮が置かれた都市ジッダ。国王の死をきっかけにクーデターが勃発したとのＣＩＡ情報を受け、日本防衛省が邦人保護のために自衛隊を派遣したのだ。この迅速な対応の裏には、世界最大の石油資源の存在がある。だが、それ以上に革命の背後にテロ組織アル・カイダの暗躍が認められたためだった。首謀者ビン・ラディンは死亡しても、彼のまいた種子は各地で開花の時を待っていた―世界は２１世紀初頭を揺るがせたテロの恐怖に怯えたのである。国際衛星放送局ＳＮＮのディレクター坂口佑平がジャーナリストの眼で、世界経済の覇権をめぐる日米政府、各国諜報機関の暗闘に鋭利なメスを入れる。著者渾身の情報戦略シミュレーション大作。
著者等紹介
高貫布士［タカヌキノブヒト］
１９５６年生まれ。学生時代に軍事評論家小山内宏氏、航空評論家青木日出夫氏らが創設した軍事学セミナーで軍事学を修得。出版社勤務を経て、現在は軍事アナリスト、作家として活躍。著作はノンフィクション、フィクションを問わず多数。フィクションでは、明治から近未来までの近現代史の中から、興味深いテーマを探しては、それをベースにしたシミュレーション小説を執筆
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